大阪・日本橋の電器店「ファニープレイス」が他人の無線LANを無断で使う機器を販売した事件で、機器のマニュアルに「国内で使用すると電波法に抵触する」と記載されていたことがわかった。この機器は、電波法に抵触する高出力の電波を発するのが特徴。大阪府警は、店長の池田輝彦(あきひこ)容疑者(42)=電波法違反(無線局の無免許開設)のほう助容疑で逮捕=らが機器の違法性を認識していたことを裏付けるものとみて、詳しく調べている。
捜査関係者らによると、「ファニープレイス」は、この機器を購入した客に、日本語のマニュアルが記録されたCDを渡していた。マニュアルの冒頭には「製品の国内での使用は電波法に抵触するので、(国内での)使用はやめるように」との表示があった。
しかし、店頭では「ネットが無料」「国内で使ってもばれない」などと宣伝。客らに無線LANへの「ただ乗り」を推奨し、機器を売り込んでいた。店の従業員の横山和夫容疑者(45)=同容疑で逮捕=も「ネット代が一生かからないと言って販売した」と認めているという。
府警は、マニュアルの注意書きはあくまでも建前上の表現と分析。実際は、購入客が「ただ乗り」のために機器を国内で使い、違法な高出力の電波を発信することを、池田容疑者らが十分に認識していたとみて追及している。【渋江千春】
毎日新聞 2010年9月24日 2時30分