(CNN) 国連総会で23日、イランのアフマディネジャド大統領が米国と国連、資本主義を批判する演説を行った。米国などの代表団はこれに抗議して退席した。
アフマディネジャド大統領が国連総会で扇動的な演説をするのは毎回のことだが、今回の演説では2001年9月の米同時多発テロについて、「米政府内の一部セグメントが攻撃を画策した」とする陰謀説を展開。この攻撃は「米国の景気後退、およびユダヤ教政権を救うために自らが描いた筋書きの後退」を覆すことを狙ったものだと主張した。
この発言を受けて米国、英国、スウェーデン、オーストラリア、ベルギー、ウルグアイ、スペインなどの代表団が席を立ち、退場した。この間にもアフマディネジャド大統領は、攻撃には米国が関与したか、またはアフガニスタンとイラクで戦争を起こすための口実として攻撃の実行を許したとする説を展開した。
欧州連合(EU)外交官によれば、加盟27カ国の間では、アフマディネジャド大統領が扇動的な演説を行った場合は退席するとの合意があったという。
アフマディネジャド大統領はさらに、「9月11日の攻撃では約3000人が死亡したといわれ、これは非常に悲しいことだとわれわれも思う」「しかしアフガニスタンとイラクでは、これまでに何十万という人々が死亡し、何百万人もが負傷したり避難したりした。衝突は今も続き、拡大している」と続けた。
また、21日のミレニアム開発目標(MDGs)サミットで行った資本主義批判を繰り返し、米国のキリスト教会がコーラン焼却を計画した問題にも言及。イランの核開発計画の正当性を強調する発言で演説を締めくくった。