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【コラム 撃戦記】

女子ボクシング活性化のカギはプロとアマの融和だ

2010年9月22日

 世界柔道で日本がメダルラッシュ。久しぶりにのどのつかえが取れる快感だった。男女16階級で金10個。金ゼロの前回大会がうそのようだ。日本人女子初の2階級制覇(杉本美香=78キロ超級と無差別)も見応えがあった。五輪の女子柔道は92年のバルセロナで正式種目になった。同じ五輪種目の女子レスリングもまたしかりだ。日本は87年の第1回世界大会から参加。初の五輪となった04年のアテネで金、銀、銅のメダルを獲得して勢いづいた。

 残念なのは女子ボクシングだ。柔道、レスリングの世界大会が行われた9月の同時期にWBC女子世界ミニフライ級タイトルマッチが行われたが、挑戦者の菊地奈々子は大差の判定負け。王者アナベル(メキシコ)との実力差もさることながら、柔道やレスリングとの知名度の差は歴然だった。

 英国ボクシング協会が女子にプロライセンスを出したのが98年。05年にWBA、WBCが女子ランキングを発表。07年には日本ボクシングコミッション(JBC)も女子を認可、翌年8月に後楽園ホールでWBC女子世界ライト級王座決定戦が行われ、これがJBCが認定した国内初の世界戦となった。

 柔道、レスリングは五輪の金メダル獲得を目標に実力、知名度を上げて今日の隆盛につなげた。うれしいことに、女子ボクシングも12年のロンドン五輪で種目になる。“犬猿の仲”とも言われてきたアマとプロに最近、融和の兆しが出ている。これこそが知名度と実力をアップさせる妙薬だ。

  (格闘技評論家)

 

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