警察にイタ電６万回　スカイプ悪用初摘発

　インターネットを利用した電話サービス「スカイプ」と自動で大量の電話をかけるソフトを使って、大阪府警城東署に約６００回の無言電話を繰り返し、業務を妨害したとして同府警は２２日、同市東淀川区のアルバイト中野康治容疑者（３３）を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。同容疑者は府警以外に北海道警、警視庁など４カ月間で約６万回のいたずら電話をかけていた。スカイプを悪用した業務妨害の摘発は初めて。

　大阪府警によると逮捕容疑は７月２日、府警城東署に約６００回の無言電話を繰り返したとして同署の業務を妨害した疑いが持たれている。

　自宅のパソコンを使い「スカイプ」と自動で電話をかけ続けるソフトを組み合わせ、今年２月末から６月末までの４カ月間で約６万回ものいたずら電話を繰り返していた。そのうちの半分以上が同署にかけていたという。非通知発信の場合だと１１０番にはつながらないため、同署の代表番号にかけていた。

　スカイプはインターネットを通して利用者同士が無料で通話ができるシステムで、パソコンから有料で電話をかけることも出来る。

　中野容疑者はプリペイド式の通話料金カードをコンビニエンスストアなどで購入し、犯行に及んでいた。カードは１枚６９０円で、１万分かけ放題のものを利用していたという。

　捜査関係者によると、電話は主に午前１０時から１１時ごろに集中しており、１度電話を切るとすぐに別の電話が鳴り、通話時間は長いときで数十分にも及んだという。内容はほとんどが無言電話で、３者通話で混線させ交信が不能になることもあった。

　逮捕は、容疑者の知人のパソコンに大量のメールが送りつけられたことがきっかけで、同様の被害が他にもあるのではと思い、知人男性が警察に相談したことから、中野容疑者が浮かんだ。中野容疑者は「ストレスがたまっていた。相手が困っている様子が分かり気が紛れた」と容疑を認めている。

　同府警によると、スカイプを悪用した業務妨害の摘発は初めてで、容疑者のパソコンデータなどを解析し、容疑の裏付けを進めている。

　［2010年9月23日8時0分　紙面から］