プロとしての視線をそそぐ。この日、ミノワマン(34)との無差別級ワンマッチへ向け、都内で練習を公開した石井のもとに、興毅が激励をかねて視察。ミット打ちを繰り返す五輪金メダリストの姿を、じっくりみつめた。
「パンチの打ち方がだいぶうまくなったな。フォームもよくなった。実戦でどこまで出せるか、あとは気持ちや」
石井が練習拠点の米国から一時帰国した4月、父・史郎さん(45)が石井にノーモーションのパンチを伝授し、興毅もその練習をみていた。それ以来の再会に、「ぎこちなかったパンチがスムーズに出るようになった。当たったらエグイ」と太鼓判を押した。
9カ月ぶりとなる石井の国内2戦目と、大毅が元WBA世界フライ級王者・坂田健史(30)=協栄=の挑戦を受ける世界戦は、TBSテレビで2元中継される。今回は大毅のセコンドに付く興毅だが、大みそかには選手として石井と“合体”する可能性も出てきた。
大毅が初防衛に成功すれば、年末に三男・和毅(19)=亀田=と3兄弟初のそろい踏みとなる興行が浮上。WBA世界Lフライ級、WBC世界フライ級の2階級を制した興毅は、さらに1階級上げたSフライ級の王座を狙っている。
石井はSRCとの試合契約を解除し、国内でどのリングに上がることも可能となった。大みそか恒例となった格闘技イベント「Dynamite」と亀田3兄弟のテレビ中継はTBSテレビが行っており、大みそかに亀田家の世界戦と石井の「Dynamite」出場を現実とさせる夢計画だ。
「大毅と石井、両方勝ってもらいたいな」。興毅の願いがかなえば、史上最強のスーパーコラボへ前進する。(江坂勇始)