きょうのコラム「時鐘」 2010年9月24日

 大幅値上げを前に、また愛煙家には決断の時である。今度こそ禁煙か、買いだめに走るか

大半が1箱400円以上になる。県内でも駆け込み「特需」とか。わずかな金額を「たばこ銭」と言ったが、もう通用しない。また一つ、言葉が「死ぬ」

珍しく禁煙マークのないタクシーに乗り、運転手から愛煙の弁を聞かされた。3カ月間禁煙したのだが、途端に体重が増え、医者から糖尿病を警告された。仕方なく、減量のために禁煙を断念したという

医者が喫煙を勧めるわけがない。ともかく言い訳をしなければ、愛煙家は務まらなくなった。たまに行く酒場に、愉快な文句が掲げてある。「アルコールは人類の敵である。しかし、聖書は説く。なんじの敵を愛せよ、と」。どうせなら、こんな秀逸な自己弁護を聞いてみたい

言い訳の上手下手は別にして、理屈と膏薬(こうやく)は、どこにでも付く。政治の世界は、もっとすごい。「理屈は後から貨車で来る」という言葉が残る。確かに、政権交代をしても、言い訳だらけ。言い訳を学ぶのなら、あの人たちが手本になる。別に自慢にはならないし、ありがたくもないが。