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新潟19歳ＭＦ酒井ザックにアピール／Ｊ１

: 右サイドから低空クロスを上げる新潟ＤＦ酒井（左）（撮影・栗山尚久）

＜Ｊ１：新潟１－１京都＞◇第２３節◇１９日◇東北電ス

　新潟のＭＦ酒井高徳（１９）が、視察に訪れた日本代表アルベルト・ザッケローニ新監督（５７）に万能ぶりを猛アピールした。本職は左サイドバックだが、京都戦は右ＭＦで先発出場。１－１の引き分けに終わったが、終盤はより攻撃的なポジションに入るなど、攻守で高い能力を発揮した。Ｗ杯南アフリカ大会にも日本代表サポートメンバーとして帯同した逸材が、イタリア時代からサイドアタッカーを重要視するザッケローニ監督に存在感を示した。

　金色に近い髪をなびかせながら、右サイドを精力的に疾走した。酒井がザッケローニ監督の眼前で４年後への布石を打った。「（ザック監督が）来ていたことを意識はしていなかったです」。淡々と振り返った背番号２４の背中は、ピッチ上でひときわ大きく映った。

　９日にＭＦマルシオ・リシャルデスが負傷。本職は左サイドながら高い万能性を持つ酒井が、司令塔の穴を埋めるべく右ＭＦで起用された。新潟やＵ－１９代表でＭＦで起用された時も左サイドが多く「右サイドに戸惑いはあった」と言うが、鋭いクロスを前線に供給するなど好機を演出した。

　ザッケローニ監督の戦術は、ピッチの横幅を広く使うサイド攻撃が持ち味。９０年代後半のウディネーゼ、ＡＣミランではデンマーク代表ＭＦヘルベグを重用したように、サイドの選手を重要視する。左右ＤＦ、ＭＦをこなす酒井は貴重な戦力になりうる。

　Ｗ杯南アフリカ大会ではサポートメンバーとして帯同して多くの経験を積んだが、「スタンド観戦だったので、ピッチとの距離を遠く感じた」。１０月はＵ－１９アジア選手権があり、Ａ代表の親善試合２試合への招集は難しいが、ロンドン五輪、Ｗ杯ブラジル大会とチャンスは続く。「（監督には）次は本職の左サイドバックでプレーしているところを見てもらいたい」。８月３０日に一般女性と結婚。公私ともに安定する１９歳が、ザック・ジャパンへの道を切り開く。【菅家大輔】

　［2010年9月20日8時39分　紙面から］