女子十二楽坊の色香
尖閣列島に中国漁船が不法進入してきました。事件に対するメディア、なかでもテレビの報道は実にいい加減です。まずなぜいま、こうした事件が勃発したのかの理由が一切報じられていないし、中国がさまざまな『報復処置」をとり、国内では反日デモが起こっていると伝えているものの、その内実の検証は不十分です。
中国政府の抗議はどんな抗議なのか、05年の反日デモとどう違うのか、そこがなんにも分析されていないのです。これでは単なるインフォーメーションであって、インテリジェンスと呼べるものではありません。
NLCでは先週号と配信したばかりの最新号でこの件を取り上げました。また次号ではこれほど中国から不当なことをされても、まだまだ続く対中援助の実態と外務省の取材妨害について紹介します。ちなみに政府は08年度で円借款だけは廃止したものの、いま現在も日本は中国に対する世界最大の援助国なのです。
皆さん、こんなこと、知っていましたか?領海を侵略されても援助(つまり私たちの血税)は続くのです。消費税を10%にアップしても援助は継続するのです。
こうした事実に、もうキレそうだと激怒する貴方!明日からNLCを読もう!(笑)。隠されたODAの実態も、日本の環境ODAに寄生する地方政府とゼネコンの話もちゃんと書いていますよ。
さて、今回の事件について、朝日新聞やTBSなどのメディアは『前原外務大臣の強硬姿勢が問題』であるかのような編集方針のようです。大笑いです。
彼らはまず尖閣列島が日本の固有の領土であることを承認したうえで、事件をレポートすべきではないのでしょうか。さらに、付け加えれば、5年前の反日デモが何を生み出したのか。中国側に取材し、検証すべきなのです。
振り返れば、反日デモの具体的な総括が事件翌年の中央外事工作会議の開催につながりました。この場で共産党中央は日本との「戦略的互恵関係」を全党で確認し、対日融和外交をスタートさせたのです。そこには喧嘩するより仲良くしたほうが得るものが多い。そして、これ以上日本国民の間に中国への嫌悪を広げてはならないという切迫感があったのです。
今回の事件を見ていても、中国政府が工作会議で確認したこうした戦略的方針を撤回した兆候はありません。中国の繰り出す具体的な、しかし実際のダメージの少ない対抗処置のあれこれに惑わされてはなりません。
ひどい話があります。中国が日本青年1000人の招待を中止しました。受け入れ機関は中青連という団体ですが、1990年代、日本の100億円の無償援助で建てたホテルを経営していたのがこの中青連なのです。で、そのホテルの中では公然と売春が行われ、それを黙認していたのが今回交流中止で名前のあがった中国側受け入れ団体の中青連なのです。このような事実をまともな取材をしないことで、中国政府と「友好」関係にある新聞やテレビが報道することはありません。
青年交流も結構ですが、あまりおかしい『交流』はやめてほしいものです(笑)
繰り返します。日本人が青年交流(今回と同じ理由付けだった)のために、と国民の税金100億円で建設した最新鋭のホテルで売春は行われていたのです。我々の税金は売春宿に姿を変えていたというわけなのです。
中国政府が徹頭徹尾、警戒しているもの。それは日本人のナショナリズムが覚醒し、台頭してくることなのです。胡錦濤の恫喝に逆比例するように、中国不信と嫌悪がいま日本中に深く広く拡大しています。桜庭和志が口にした『プロレスラーは本当は強いんですよ!』とのアナロジーで言えば、『日本人は本当は強いのです』。
雷の音は聞こえてくるのですが、いっこうに雨は降ってこない。これがこの間の中国当局の対応です。テレビもバカのひとつ覚えのように、危機を煽るのはやめたほうがいい。彼らにはなぜ中国指導部の「選ばれしものの不安」が見えないのでしょうか。
それとも腰の引け具合の理由は、麻布の中国大使館の恒例のマスコミ向けパーティの席で、女子十二楽坊のひく胡弓の音色と中国人ホステスの色っぽいチーパオに悩殺されたせいなのでしょうか。
以上。
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