2010年9月24日

恩返しの勝利

担当:河原 正明

 日付が変わって記者さんたちが帰り、ようやくPCに向かって日記を書き出しました。こういう日は少しアドレナリンが出ている上に、何から書けばいいんだろうかと迷います。で、試合中に、自分の胸に去来した思いから書き出してみました。


 レアンドロ選手のPKによる2点目のゴールが決まり、スタジアムに響き渡りだした「ヤマト」のメロディー。思わず、ピッチ脇から敵将の横顔を眺めてしまいました。今、どんな気持ちでこのメロディーを聴いているのだろうかなと。

 昨日までの残暑から一転、寒いくらいの雨の中、コンサドーレ札幌を迎えての今季13試合目のホームゲーム。最終的にスコアこそ5-1と大きく開きましたが、前半はかつての指揮官の下、石川直樹主将が率いるアウェイチームが、大きくホームチームに立ちふさがったのでした。
  雨の影響で思うようにボールを運べない。さらに、敵陣に入るとすぐに相手のプレスがかかります。今季は日立台では守備重視で、引いて守る相手が多いのですが、札幌は果敢に押して波を掴もうとしてきました。

 しかし、ややもすればもどかしい展開の中、前半終了間際に相手が1人退場に。これで試合の潮目に変化がありました。
 ハーフタイム、ロッカールームでネルシーニョ監督は「自分たちのサッカーがしたい。いつも通り、ボールをつないで攻めていこう」と指示を送り、選手をシャッフルして後半へ。
 そして、試合開始60分後、CKキックからレアンドロ選手の右足から弧を描いて放たれたボールは、得意のニアポストで待っていた男の頭へ。

kissofdeath.jpg
 「ドンピシャ!」という言葉がこれほどピッタリとはまるパス&ゴールを久々に見ました。そして熱狂のゴール裏に飛び込んで...その後はご愛嬌。パク選手も大笑いでしたが、笑顔が止まらないキタジ。スタンドにいた家族に向けて力強く胸を叩き続けた姿に、本当に日立台に躍動する背番号9番が帰って来たと、感慨深いシーンでした。

 その3分後にも、キタジがPKをゲット。交代後に「あれ、蹴りたかったなぁ」と話していましたが、フォア・ザ・チームでキッカーはレアンドロ選手に。今季8点目のゴールを強烈にねじ込みます。ここですかさず流れる「ヤマト」。これは「さぁ、もっと点を獲りに行こうぜ!」というサポーターからのメッセージ。こうなった日立台はとてもやっかいだというのは、ピッチ上で戦っていた合計12人の選手に加え、敵将も良く知っているところ。気付くとサポーターの声援に押された我々が、完全にボールを支配し、ゲームの主導権を握っていました。

burninglikeaflame.jpg
 
 72分に、こぼれ球から強烈な一発を被弾しましたが、さらに工藤選手にホジェル選手を投入して勢いを増したレイソルの攻撃を受け続けた結果、相手選手が競り合いの中、たまらずホジェル選手をペナルティエリアで倒してPKを与えます。さらに相手が1人退場して9人で戦うことに。
 「これが入ればゲームが決まる」。横で呟くキタジとともに見届けたボールの行方は、冷静に相手GKの動きを見たレアンドロ選手の思い通りにネットを揺すったのでした。

 そして、ゴールショーのエンディングへと舞台は移ります。工藤選手がホジェル選手の優しいパスから、GKの股間を抜いてのゴールを決めると日立台のボルテージは最高潮に。工藤選手も、ベンチで待つ桐畑選手目がけ一直線にヘッドスライディングを決めます。直前にレアンドロ選手に並ばれたチーム得点王の座を、わずか2分間で取り返す今季10ゴール目でした。


justgotlucky.jpg
 さらにアディショナルタイムには茨田選手のゴールも飛び出します。こちらもホジェル選手からのパスを受け、コースを狙ってのゴール。今季5月の徳島戦で見せたような、得意の2列目からの飛び出しでした。
 この両選手は、それぞれU-21、19の代表候補。対する札幌にも同世代の候補選手がいます。「同じ世代のライバルには負けたくない」とそれぞれゴールという結果で起用に応えました。でも、二人ともホジェル選手にはよーく御礼を言っておかないといけないですね。
 得点者だけがクローズアップされがちですが、今日も2アシストのホジェル選手は、ますますチームにフィットして存在感を増しています。交代出場含めて起用した選手が結果を残しました。次節はどのような布陣で臨むのか、指揮官の采配も楽しみです。

 試合後、ロッカールーム前では会見を終えた石崎監督が教え子たちと旧交を温めていました。
「試合前に、石さんが反対側に座っているのが変な感じだった」と多くの選手が話していましたが、いざ、試合が始めればそんな気持ちは微塵もあるはずもなく。
 「石さんはレイソルで一時代を築いた人。でも今のレイソルを見せて、しっかりと勝って恩返しをしたい」試合前に話していたキタジの思いは、ゴールという結果で結実しました。

  大事な連戦の3戦目は、思いがけずに大勝をしました。しかし、「まだ連戦は福岡戦まで続く。まだ振り返ったり、ホッとしている場合じゃないんで」と、小林選手が話すように中2日でアウェイで福岡との一戦が待ち構えています。明日・明後日で最大の準備をして、今、最も勢いのあるチームとの戦いに向かいます。

 今日は寒い雨の中、最後までご声援いただきましてありがとうございました。J1昇格、そしてJ2優勝の頂まで、これからも共に。よろしくお願いします。

intothefire.jpg

んお

担当:河原 正明

 日付が変わって記者さんたちが帰り、ようやくPCに向かって日記を書き出しました。こういう日は少しアドレナリンが出ている上に、何から書けばいいんだろうかと迷います。で、試合中に、自分の胸に去来した思いから書き出してみました。

 レアンドロ選手のPKによる2点目のゴールが決まり、スタジアムに響き渡りだした「ヤマト」のメロディー。思わず、ピッチ脇から敵将の横顔を眺めてしまいました。今、どんな気持ちでこのメロディーを聴いているのだろうかなと。

 昨日までの残暑から一転、寒いくらいの雨の中、コンサドーレ札幌を迎えての今季13試合目のホームゲーム。最終的にスコアこそ5-1と大きく開きましたが、前半は敵の指揮官の下、石川直樹主将が率いるチームが大きくホームチームに立ちふさがったのでした。
  雨の影響で思うようにボールを運べない。さらに、敵陣に入るとすぐに相手のプレスがかかります。今季は日立台では守備重視で、引いて守る相手が多いのですが、札幌は果敢に押して波を掴もうとしてきました。

 しかし、ややもすればもどかしい展開の中、前半終了間際に相手が1人退場に。これで試合の潮目に変化がありました。
 ハーフタイム、ロッカールームでネルシーニョ監督は「自分たちのサッカーがしたい。いつも通り、ボールをつないで攻めていこう」と指示を送り、選手をシャッフルして後半へ。
 そして、試合開始60分後、CKキックからサイドレアンドロ選手の右足から弧を描いて放たれたボールは、得意のニアポストで待っていた男の頭へ。

kissofdeath.jpg
 「ドンピシャ!」という言葉がこれほどピッタリとはまるパス&ゴールを久々に見ました。そして熱狂のゴール裏に飛び込んで...その後はご愛嬌。パク選手も大笑いでしたが、笑顔が止まらないキタジ。スタンドにいた家族に向けて力強く胸を叩き続けた姿に、本当に日立台に躍動する背番号9番が帰って来たと、感慨深いシーンでした。

burninglikeaflame.jpg
 その3分後にも、キタジがPKをゲット。交代後に「あれ、蹴りたかったなぁ」と話していましたが、フォア・ザ・チームでキッカーはレアンドロ選手に。今季8点目のゴールを強烈にねじ込みます。ここですかさず流れる「ヤマト」。これが「さぁ、もっと点を獲りに行こうぜ!」というサポーターからのメッセージ。こうなった日立台はとてもやっかいだというのは、ピッチ上で戦っていた合計12人の選手に加え、敵将も良く知っているところ。サポーターの声援に押された我々が、完全にボールを支配し、ゲームの主導権を握っていました。
 
 72分に、こぼれ球から強烈な一発を被弾しましたが、さらに工藤選手にホジェル選手を投入し、勢いを付けたレイソルの攻撃を受け続けてたまらずホジェル選手がペナルティエリアで倒されてPKを奪取。さらに相手が1人退場に。
 「これが入ればゲームが決まる」横で呟くキタジとともに見届けたボールの行方は、冷静に相手GKを見たレアンドロ選手の思い通りにネットを揺すったのでした。

 そして、ゴールショーのエンディングへと舞台は移ります。工藤選手がホジェル選手の優しいパスから、GKの股間を抜いてのゴールを決めると日立台のボルテージは最高潮に。工藤選手も、ベンチで待つ桐畑選手目がけ一直線にヘッドスライディングを決めます。直前にレアンドロ選手に並ばれたチーム得点王の座を、わずか2分間で取り返す今季10ゴール目でした。


justgotlucky.jpg
 さらにアディショナルタイムには茨田 陽生選手のゴールも飛び出します。こちらもホジェル選手からのパスを受け、コースを狙ってのゴール。今季5月の徳島宮戦で見せたような得意の2列目からの飛び出しを。
 この両選手は、それぞれU-21、19の代表候補。対する札幌にも同世代の候補選手がいます。「同じ世代のライバルには負けたくない」とそれぞれゴールという結果で起用に応えました。
でも、二人ともホジェル選手にはよーく御礼を言っておかないといけないですね。
 得点者だけがクローズアップされがちですが、今日も2アシストのホジェル選手は、ますますチームにフィットして存在感を増しています。交代出場含めて今日も起用した選手が結果を残しました。次節もどのような布陣で臨むのか、指揮官の采配も楽しみです。

 試合後、ロッカールーム前では会見を終えた石崎監督が教え子たちと旧交を温めていました。
「試合前に、石さんが反対側に座っているのが変な感じだった」と多くの選手が話していましたが、いざ、試合が始めればそんな気持ちは微塵もあるはずもなく。
 「石さんはレイソルで一時代を築いた人。でも今のレイソルを見せて、しっかりと勝って恩返しをしたい」試合前に話していたキタジの思いは、ゴールという結果で結実しました。

大事な連戦の3戦目は、思いがけずに大勝をしました。しかし、「まだ連戦は福岡戦まで続く。まだ振り返ったり、ホッとしている場合じゃないんで」と、小林選手が話すように中2日でアウェイで福岡との一戦が待ち構えています。明日・明後日で最大の準備をして、今、最も勢いのあるチームとの戦いに向かいます。

今日は寒い雨の中、最後までご声援いただきましてありがとうございました。J1昇格、そしてJ2優勝の頂まで、これからも共に。よろしくお願いします。

intothefire.jpg

2010年9月22日

札幌戦へ

担当:大重正人

今日は、まず嬉しいニュースからです!
工藤壮人選手が、U-21日本代表に選出されました。この代表は2012年のロンドン五輪をめざすチームで、率いるのは元フロンターレの関塚監督。まずは中国で行われる11月のアジア大会に出場する予定となっています。発表は夕方の16時、ちょうど練習が終わった工藤選手に伝えたところ、意外なことに「あぁ、そうなんですか?」と驚きも喜びも大きくは表情に映しません。

100922_kudo.jpg

「選ばれたことはもちろん嬉しいし、光栄なことです。ただ個人的に、今このレイソルでのFW争いは厳しい状況にある。与えられた時間のなかで、ゴールという結果を出さないといけない。とにかくがむしゃらにやって、チャンスがいつか来るというよりも、自分の手で引き寄せるという気持ちでやっています。この状況を打破するために、1分でも2分でも短い時間のなかでもゴールを狙っていく」。ロンドン五輪やA代表という大きな目標を掲げながらも、今この日立台でやらなければいけない課題があって、大きな仕事がありますから。

報道陣から「明日ザッケローニ監督が視察に来るかもという話がありますが」と水を向けられると、「J2でも頑張っていれば、フラットに評価してもらえる監督さんだと思うし、大きなモチベーションにもなります」。これは工藤選手だけに限らず、ほかの選手たちにとっても同じ。もしザッケローニ監督の来柏が実現すれば、広報としてもレイソルが注目を浴びる大きなチャンスですから、たいへんありがたいことです。

その札幌戦、レイソルに深くゆかりのある、石崎監督と石川選手との対戦となります。前節初ゴールを決めた北嶋選手は「石さんがレイソルにいたときの自分たちほどじゃないけど、しっかりプレスしてくると思う。それをいなすようなサッカーをしたい。石さんはレイソルで一時代を築いた人だし、石さんがつくりあげたチームと対戦するのはすごく意味のあること。ありきたりかもしれないけど、自分たちが勝って恩返しするという気持ちです」。石川選手については「今週電話で話しましたよ!試合に出れば直接マッチアップすると思うし、いい勝負をしようって」。2人だけの約束も交わしたそうで、どんな戦いが繰り広げられるか、すごく楽しみです!

100922_kitaji.jpg


明日はあいにくの雨予報ですが、チームスポンサーのローソンさんによる『LAWSONエキサイトマッチ』を開催。「千葉国体マップ付きLAWSONクーポン券配布」や、マスコットキャラ「からあげクン」が来場し、レイくんと一緒に試合を盛り上げてくれます。またお買いものポイントを集めると、柏レイソル×LAWSONオリジナル』アンブレラ(折りたたみ傘)をプレゼントするキャンペーンを10月1日からスタート。いまからしっかりPontaカードでポイントをためましょう!!

「オリジナルプリントサービス 太陽スポーツ新聞」では"からあげクンバージョン"を発刊。そして明日23日がハタチの誕生日となる武富選手を祝して、タケバースデーバージョンもあります。お祝いも兼ねて、ぜひ1枚撮影されてはいかがでしょうか!

100922_take.jpg

また、柏駅東口の柏駅前通り商店街(ハウディモール)の歩行者天国で「柏レイソル応援イベント」が開催されます。このイベントは、同商店街振興組合のご厚意により、歩行者天国にレイソルのフラッグを掲げ、市民の皆様にレイソルの今季の試合を紹介し、さらなる応援を呼びかけるものです。なお14時~15時ごろには、栗澤選手がイベントに参加する予定です(残念ながら雨天中止の場合があります)。札幌戦観戦の前に、ぜひお立ちより下さいませ。

2010年9月21日

背中で語る男

担当:河原 正明

 9月11日~10月2日までの大事な5連戦。選手たちの頑張りと皆さん、まずは初戦と2戦目をものにすることができました。ここでの3連勝は昇格争いにおいて非常に大きいアドバンテージです。しかし、ホッとする間もなく札幌との一戦がすぐそこまで来ています。

imalwaysserious.jpg

 前節に先制ゴールを挙げた林選手。好調と目される彼ですが、「常に得点を挙げないといけない危機感を持っている」。現状に満足していないし、特にFW陣はいつポジションを失うか判らない競争の渦中にあることを、彼はいつも自らに言い聞かせるように口にしています。

 今日、サッカーai誌の取材を受けた工藤選手。今のチーム状況は「監督が練習から調子の良い選手を見極めて起用していることが、チームが昇格圏をキープできている要因のひとつだと思う」と話すように、自らのターニングポイントであった第3節での抜擢以降も、競争は平等であることを強調します。しかし、その体からは試合に、得点に対する「強烈な飢餓感」をプンプンと発散させています。
 若手だけではなく、ベテランもそうです。「キタジさんの練習から手を抜かずに挑戦する姿勢や、その背中を見ていると『あれ以上にやらないといけない』と思う」と林選手。

fortheloveoffootball.jpg
 その北嶋選手は、今日の午後招待事業「BtoJシート」の授与に柏市立豊四季中を訪問しました。前節にゴールを挙げたばかりの選手が来るということもあって、大歓迎を受けていました。
キタジは常に「自分たちのプレーを見て、何か感じて欲しい」と中学生に話しています。でも、彼のプレーを見ているのは中学生だけでなく、同じプロ選手である後輩たちも同様にしっかりと見て育っているのです。

 「男は黙って」は、かなり昭和チックなフレーズですが、答えを一発で出した彼のゴールは、チーム内にさらなる競争と、上向きのスパイラルを巻き起こしています。
 もちろん、ホジェル選手や田中選手も黙って指をくわえてライバルの活躍を見ているわけではありません。次の札幌戦にメンバー入り、そして先発出場するのは誰なのか?また、次節出場停止の栗澤選手のポジションを奪うのは誰か?明後日には答えが出ます。その札幌戦のチケットはまだ残席がございます。勝ちあがってきた男たちの競演を、ぜひスタジアムで生でご覧ください。

stateofgrace.jpg

2010年9月20日

いつか花を

担当:大重正人

劇的なダービーからまだ24時間しかたっていません。ずっと、あの感動と余韻に浸っていたいところですが、次のコンサドーレ戦は23日木曜日。あっという間にやってきます。昨日先発した選手たちはフリーに。完全休養をとる選手、クラブハウスで軽く身体を動かすなど、思い思いの時間を過ごしました。

ジェフ戦の北嶋選手のゴールがスカパー!のハイライト番組のJ2週間ベストゴールに選ばれましたね。「あれって何かもらえるの!?」。表彰してもらうには、9月の月間ベストゴールに選ばれなければならず......しかしノミネートゴールですから、その資格は十分にあります。もし9月ベストゴールに選ばれれば、賞金10万円☆ さらに、ホームゲームの試合前に、抽選で選ばれたサポーターの方から盾を授与いただくことになっています。少しすると、下記ページから投票できるようになりますので、みなさんキタジゴールにいっぱい投票してください!
http://soccer.skyperfectv.co.jp/Jleague/relation/

100920_roger.jpg

ジェフ戦先発メンバー以外は、午後3時からトレーニング。1時間ほどの4対4のゲーム練習。昨日、途中出場から3点目を演出したサワ&ホジェルコンビ。レアンドロと絡んで、3対6ぐらいの数的不利を見事に打ち破ってのナイスゴールでした。その2人、今日も絶妙の連係を見せました。ゴール前の狭いところをこじ開けるようなショートパス、ワンツーからのコンビネーションゴール。札幌戦でも期待したいですね!

100920_nuno.jpg

さらに若手選手は、個別練習へ。井原コーチは渡部、酒井のDFコンビと、布部コーチは攻撃陣を集めてのシュート練習。サポーターのいないひっそりとしたグラウンドで、黙々と繰り返される地道なトレーニングですが、必ず自分の力として身についているはず。競い合って、互いを高め合うように、すごくいい集中力が伝わってきました。練習、練習試合から積み上げて這い上がって、公式戦で大きな結果を残した先輩のように、いつか大きな花を咲かせるチャンスをつかんでほしいと思います。

100920_shoot.jpg

ダービー

担当:大重正人

既定の90分を大きく超えて、ほぼ100分の激闘。
試合後、勝利のダンスがなかなか始まりません。なぜか......選手もサポーターも、みんなが今日のヒーローの到着を自然と待っていました。ほどなく、TV中継のインタビューを終えた、ウチのエースがゴール裏へ向かって猛然と駆け出しました。歓びを全身から発して、踊るようにピッチを走る北嶋秀朗。その後姿が、最高の幸せを与えてくれました。

試合後の選手たちは、みんな「ダービー」という言葉を口にしていました。「ダービーの雰囲気がすごかった」「ダービーに勝てたことが本当に嬉しい」と。かつて、これほどまで盛り上がった千葉ダービーはなかったかもしれません。100分間の試合は、最初から最後まで濃密で、橋本選手のクロスも、林選手のヘディングも、澤→ホジェル→レアンドロと3人で崩しきった決勝ゴールも、1人少なくなってからの菅野選手のセーブ、DF陣の身を投げ出してのブロックも、どれもが胸を打つようなプレーばかり。敵ながら谷澤選手のハーフバウンドボレーも、やっぱり凄かった。

そして、試合前。選手ひとりひとりへの応援歌が終わり、柏バカ一代が始まる時。リーダーの方から「2階席も、メインスタンドも、みんな立とうぜ!!」と呼びかけられると、レイソルイエローのサポーターが一斉に立ち上がり、そして「バカ一」の大熱唱。いつもはブーイングで応戦してくる相手サポーターを逆に静まりかえらせ、鳥肌が立つような一体感、本当に圧倒的でした。悲壮なまでの応援を受けたジェフに勝てたのは、間違いなくサポーター皆さんの気持ちと熱意と気合いが、相手を上回っていたからです。

今日の観客18,031人はフクアリのレコード。今日の試合は間違いなく、今週の日本一のゲームと胸を張れるゲーム。そんな試合を作り出したのは、レイソルとジェフの選手と観客の一体感にほかなりません。キタジの「みんな、ありがとう!!」の言葉は、この試合に携わったみんながお互いにかけあうべきものではないでしょうか。一生忘れられない試合になりました。こんな試合を見せていただいて、皆さん、本当にありがとうございました!

でも、やっぱり最後に、これが一番言いたい。
「キタジ、ありがとう!」

100919_kitaji.jpg

2010年9月18日

平常心で

担当:河原 正明

 最初は残念なお知らせから。本日、ひたちなか市で行われました高円宮杯 第21回 全日本ユース(U-18)サッカー大会 予選グループで、柏レイソルU-18はサンフレッチェ広島ユースに2-4で逆転負けを喫してしまいました。グループ3位までは決勝トーナメント進出の可能性があったのですが、この結果、得失点差でグループ4位となってしまい無念の予選リーグ敗退となってしまいました。
 レイソルU-18は夏のクラブユース選手権大会で準優勝をし、今大会も活躍が期待されていましたが、同じ組に入ったJクラブユースのレベルも高く、苦戦続きでした。最終的には僅差での敗退だけに悔しさが残ります。3年生にとっては残る大会はJユースカップのみ。悔いの無いよう戦うだけです。

 さて、明日はいよいよ千葉ダービー。日立台にはサポーターの皆さんが大勢練習見学に駆けつけ、選手を励ましてくれていました。
 明日は試合前の前哨戦から長い戦いが始まります。17時10分頃より、ピッチ内にて、ジェフ千葉対柏レイソルのPK合戦が行われます。これには両チームのOBやホームタウンの市長さまなどが参加するのですが、このPK合戦において、レイソルチームのキッカーを1名ずつ募集するとのことです。対象となるのは小学4~5年生で、当日のチケットを持っていること、ボールの蹴れる運動靴を履いていること(スパイク可)と自分が参加したいチームのユニホームまたはTシャツを着ていること、の3つです。PKを蹴れる自信のある子は奮って参加してみてください!なお、集合場所は16:00に南1ゲート横にお集まりください。お集まりいただいた方の中から、ジャンケンで参加者を決定します。ここでも負けられない!ちびっ子レイソルサポーターの奮闘に期待します!

 今日はトップチームは試合前日恒例のミニゲームを。前半は黄色ビブス組が得点を重ねていきます。ゴールを決めたパク選手から珍しい飛行機ポーズが飛び出します!
parkintheair.jpg

 しかし、赤ビブス組も橋本、近藤選手の連続ゴールなどでじわりじわりと追い上げます。実は密かに天皇杯 順大戦、前節富山戦と2試合連続ゴール中の近藤選手。「(前節は)アシストもしたから、ヒーローインタビューはオレかもと思っていたけど(笑)。明日はネットと谷沢のコンビには警戒したい。ゼロで抑えて勝つこと。自分もチャンスがあればセットプレーで得点を狙っていきたい」と闘志を燃やします。

dogotGoal.jpg

 ゲーム後半、レアンドロ選手、リンタロウ選手にホジェル選手のブラジリアントライアングルが絡んだ攻撃で息を吹き返した黄色ビブスチームが徐々に圧力をかけます。しかし、赤組もレアンドロ選手のシュートを田中選手がライン上でクリアするなど得点を許しません。そしてとうとう同点に追いつきます。

tanakasavethagoalontheline.jpg

 しかし、最後はホジェル選手が丁寧なゴールを決め、ケリをつけます。パク選手もボールが入る前に手を突き出して勝利を確信!とここで試合終了!黄色ビブス組が勝利をおさめました。
rogerrulesthegame.jpg

 「ジェフは豊富な経験とクオリティが高く、当然、J1昇格争いをするであろうチーム。中盤から前線にかけてクリエイティブな選手が多く充分警戒したい。」とネルシーニョ監督も話すように、相手には個でもチームでも能力を高く発揮できる選手が揃っています。
 実はここ何戦かジェフとの試合はドローが続いています。それについては「ダービーには独特の雰囲気があるので、毎試合拮抗した戦いとなっている結果だと思う。ただ今回の対戦は、千葉ダービーということ以上に、昇格争いという点で注目の集まる試合。ただでさえ好ゲームとなることが多いが、相手もモチベーションを上げているはず。しかし、厳しい戦いだろうが、戦いにくいということはない」と平常心で臨めば、我々に勝機はあると自信を見せていました。

 今年2月、フクアリでのちばぎんカップで先制点を挙げた澤選手も「フクアリにはいいイメージがありますよ。ファーストシュートがゴールになったので」。しかしそれ以上にモチベーションが高い理由もあります。「前回対戦時(7月25日@日立台)は試合開始3分で交代になったので(笑)。あの試合は1回ボールが頭にかすっただけでした。あの時とは互いにチームの状態は違うけど、まずは自分の役割を果たし、得点で勝利に導きたい」と冷静にコメントを。もちろん黄色一色で染まったスタジアムには「いつもよりアドレナリンが出る(大谷選手)」けれども「僕らはいつも通り闘うだけ」と、選手たちは普段どおりに臨みます。

 しかし、サポーターの皆さんにはいつも以上に気合の入った試合となることは間違いないでしょう。スタジアムに来られない方もTV中継で、あるいは携帯サイト・モバイルレイソルの速報で見守りながらご声援ください。では明日!