心道流・本部御殿手・中村道場の心体の技法について(チャンプア対ホースト戦・システマ・数見氏・岩崎氏・宇城先生の動画より)
前々回のブログで故上原清吉先生の相手の死角に入る、後ろにまわる体捌きついて書きました。
更に、その体捌きが故佐川幸義先生が滅多に見せなかったという相手の後ろにまわる体術と同じだと思う事や本部朝基先生・中村茂先生も同様の技法を修得されていたであろう事を宇城先生の動画を紹介しながら書きました。
最初にムエタイのチャンプア・ゲッソンリット、システマのウラジミール氏の動画を見てみます。
システマはどう見ても、リングで戦うための技術体系ではありません。比べる事は、やはりあまり意味がある事だとは思えません。
システマの技術体系は別の意味で価値があると思います。
前回のブログの中の「システマのインストラクターが相手の死角に入る事ができなかった問題を解決するために、参考になるのは故上原清吉先生の体捌きだと思います。相手の死角に入る、後ろにまわる体術です。」という事に対しては、下の意見がありました。
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「バリバリの実戦格闘技や武道を嗜んでいる相手にはまず無理。 絶対に無理。断言する。ましては、相手の攻撃心を悟るなんて無理。どんな格闘技でも相手に悟られずに攻撃するって事は、常識中の常識。」
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それを解決するためには、「沖縄拳法稽古会が、沖縄相撲、フルコンタクト空手をやっている。」という事で、お相撲やフルコン空手が必要だという事でした。
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修得すべき事がお相撲とフルコン空手で、更に「武道家が格闘家に勝てる為にはこの攻撃をしなければならない。」という繋がりで、稽古会の先生の突き技を修得するとムエタイにもシステマにも勝てるという事でした。
お断りしておきます。稽古会の先生の突き技をどうこう言っているワケではありません。
論理が矛盾していて、現実は逆です。
以下に動画を見ながら説明します。
極真空手時代の数見氏、岩崎氏の試合を見てみます。
二人のフルコンタクト空手の実績は多くの方々がよく知っていると思います。
フランシスコ・フィリョ選手と互角に戦える選手は、そうそういないはずです。数見氏の強さが、どれほど凄いかよくわかります。
岩崎氏のローキックは、黒澤選手に決して劣りません。おそろしい威力です。強烈な突き技と蹴り技が、動画からもよくわかります。
何が言いたいのかと言うと、これだけの強さを誇った極真空手の王者達が、今現在は心道流の宇城先生に入門している事です。
上述の事実に対して「何の根拠も無い」と考える方が不自然だと思います。
はっきりとした稽古の方向性を見いだせたから、二人とも心道流で学ばれているのだと思います。もちろん推測の域ですけど。
上の動画の中で、宇城先生は「正面から入る技法」「相手の死角に入る技法」という「心体の技法」によって、明確に極真王者の二人を圧倒しています。
要するに、稽古会の方が「バリバリの実戦格闘家にはまず無理」と言われていた事を、宇城先生はバリバリの超実戦格闘家を相手にして「正面から入る技法」「相手の死角に入る技法」を明確に行っています。
個人的な意見ですが、基本の正拳逆突きで、ある程度の威力があっても、岩崎氏や数見氏を宇城先生のように止める事は容易にできないと思っています。
この事はチャンプア、ホーストに対しても同じだと思っています。多少威力ある正拳突きでも、チャンプアやホーストを止める事ができるとは思えません。
最初にチャンプアやホーストの腹部を突く事自体が、容易ではありません。
宇城先生はフルコンタクトの経験は無いと思うのですが、それにもかかわらず、極真元王者を絶対に無理だと言われた「心体の技法」で圧倒しています。はっきりとした現実です。
下の動画をみれば一目瞭然です。
体格、筋力、パンチのスピード、どれを取っても元極真王者の数見氏、岩崎氏の二人の方が上回っていたはずです。
心道流の方々からのメッセージによると、宇城先生の突き技はおそろしく貫通力があり、元極真王者を遥かに凌ぐそうです。
動画をよく見ていただきたいです。
数見氏と岩崎氏の二人で打ち合っている場合にはきちんと突き技が伸びています。
宇城先生に「入る技法」を使われた時の数見氏は、突き技を出せてもワン・ツー止まりで連続攻撃ができなくなっているんです。
岩崎氏の様子は、「攻撃心の起こり」をとらえられないために、最初の動きが遅れています。それを「エンジンがかかっていない」という言葉で表現されています。
「攻撃心の起こり」をとらえた瞬間に、宇城先生に背中をおされると見事に技が極まっています。その時の数見氏は二打目の突き技の腕をほとんど伸ばせていません。
宇城先生は、数見氏、岩崎氏という最強のフルコンタクト王者に対して「入る技法」という「心体の技法」を使って、完全に圧倒しています。
稽古会の方が「無理だと断言する」と言われた事を、宇城先生が現実に示し、その結果、バリバリの実戦格闘家の数見氏、岩崎氏の二人とも心道流に入門しています。
理解してもらえるでしょうか。
バリバリの実戦格闘家に力を出させずに封じるには、同じフルコンの技術よりも、古伝空手の「心体の術理技法」が有効で、重要なんです。
最初に、現実の論理が逆だと言った理由です。
きっと本部朝基先生が、不世出のボクサー・ピストン堀口のパンチをすべて捌いてみせ、入身して堀口の眉間スレスレに拳を突いて見せて、圧倒したという事実も同じ状況だったであろうと推測できます。
門下生の追い突きに対して稽古する場合は、より明確です。
字幕の中で「単に前に出るだけでは打たれる」と書いてある通りです。
入られると追い突きをする側の腕は伸びていません。
この現象が証明している事は「相手が突き技を出す以前の心体の技法」である事です。
突き技を出す以前の問題だと誰でも理解できるはずです。
浦添支部道場でも、門下生が互いに稽古している時に、同じ現象が起こります。
先週の稽古で驚いたのは、入門して1年にもならないK君が、先輩達の追い突きに対して、相手の腕が伸びる前に「入る」ができるようになっている事です。
先輩達は、順突き、逆突きに対しても100%の確率で成功します。
最近、見学者が何度か来ますが、誰に対してもほぼ完璧です。
今は二段階目に入っている状態です。
要するに、普通の組手立ちで突いてくる、蹴ってくる相手に対して、一定の論理に基づいた動きを体に染みこませている段階です。そうすると相手は連続して攻撃する事ができなくなります。
攻撃する事で、本当の攻撃の方法を学びます。
どういう事かというと、徐々に相手が受けられない突きを修得しつつあるという事です。
攻撃側が「入る」感覚で気配の無い攻撃をするようになることです。
そうすると、今度は受け手側は気配のない攻撃の中の僅かな心の乱れを感じとって「入る」という形になってきます。
上述の稽古を繰り返していくと、まるで階段を上るように互いの技が質的変化を起こし、高度化していきます。何にも考えずに、ミットへの突き・蹴り、空突き、空蹴りしていた時とは、技の質が全く異なってきます。
急激な質的変化が起こり始めます。どちらも静かに構えて動き出せないという現象が起こってきます。門下生はそういうレベルに近づきつつあります。
宇城先生の貫通力のある突きというのは、全くわかっていません。
浦添支部の門下生は、基本的な順突き、逆突きで、日野先生の重みの突きにある種の工夫を加えて、相手を転倒させる突きを修得しようと一生懸命です。
基本の突きで浸透する力を修得しても、実際の組手では未だ使えません。
組手の構えから同じ威力を出せるようにならなければいけないのですが、その前段階です。
宇城先生の貫通力というのは全く解明不能です。さっぱりわかりません。
浸透する力と貫通力は違っています。ヒントも見つかっていません。
宇城先生は貫通力がありすぎるために寸止めにしているそうです。
日野先生の突き技や掌打は受け手側はミットを二重にしているくらいです。
何度かブログで書きましたが、ミットならば衝撃から逃げる工夫ができます。
けれど、下の動画の技を生身で受けるとミットを使った逃げ方はできません。非常に危険だと思います。
日野先生が(ビジュアル的には見えない)といっている体の使い方、同様に、宇城先生が使っている目に見えない要素を含む「心体の技法」が武術的動きです。
スポーツ的動き方との違いです。年齢による衰え、体格差を超えるために、どれも重要な要素です。
フルコンタクトの重要性も理解できます。
ライトコンタクトのテコンドー選手が、極真空手との試合をする様子を見ていて、重要性を確かに感じます。
ライトコンタクトの選手がフルコンタクトの選手と同じ条件で戦うには、あまりに前準備が不足しています。打たれ強さの違いが明確です。
サンチンの型稽古等で打たれ強さを鍛える事や、ローキックの基本的な受け技くらい修得していなければ、上の動画と同じようになると思います。
もっともテコンドーのルールならば、勝敗は逆のはずです。
技法の修得で調整するの事が困難な要素があります。
フルコンタクト空手の受け技の癖が、宇城先生、故上原清吉先生、故本部朝基先生、故中村茂先生の心体技法の阻害要因になるんです。下の宇城先生の説明の通りです。
これまでのブログのまとめのような内容になって長すぎました。
ここで止めておきます。
※前回の内容で、「力に頼らない」という事を書きましたが、腕力という意味です。
足腰は重要だと思います。
下半身が弱いと、どうしても肩に力が入って、上半身が固まってしまいます。
悪い事に肩が上がり、腰が浮いて、転倒しやすくなります。
そういう意味で下半身を鍛えるスクワットをやっているという意味です。体が1本になる感覚をつかみやすいと思います。体の中心線からの力を鍛えるのに最も効果的だと思っています。
上半身のトレーニングを中心にやっている人が多いと思いますが、確かにその方が見た目は格好いいです。
ですが、武術的に考えると、肩や腕に力を入れすぎる癖が付いてしまうと修正するのが、非常に困難です。
ウエートトレーニングを否定はしません。力みをコントロールできる事が大切という意味です。
重要な時に肩や腕を柔らかく使えるならば、上半身のトレーニングも基本的に非常に有効だと思います。
※ 「豪壮たる圧倒的な力と、水のような柔らかさと、深い人間への理解です。まずは豪壮たる圧倒的な力を背中の鍛え、押し合い、相撲稽古等で身につけ、そして水のように柔らかで、強烈な力はさらにこの先にあります。それらは基礎の稽古や型から導き出されていくものです。そして深い人間への理解から戦術、型の構成へとつながっていきます。」って表現ですが、文章的にはかっこいいんですけど、抽象論すぎて、正直、意味がよく理解できません。
合気の事を「人類愛」だとか、「人の道」だとか説明する人いますけど、抽象的で意味わかりません。ナルシズム的な事は苦手です。よく意味が理解できません。
こういう表現を一度も聞いた事がないので、どういう事を言っているのか、きっとその稽古会の方々は、よく知っていると思いますので、論理的に教えて下さい。
よろしくお願いいたします。
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(読売新聞 - 08月28日 03:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1323328&media_id=20
はぃ、妥当って何回言えば気が済むのやら・・・・
悪質な嫌がらせですわ・・・・・
政治と教育現場を混同するな!!!
民族教育を否定し、日本人を お し つ け る な!!!!
仮に、反日教育してるにしても何が悪い?? 反日になるのには原因があるだろ??
嫌われるのが嫌なら、植民地しなさんな!!
ってか、、
投稿: ミリョンとサンホ | 2010年9月17日 (金) 11時34分