最終更新: 2010/09/24 00:54

スーパーニュースニュースJAPANスピークスーパーニュース WEEKEND新報道2001

東アジアの海の波が高まる中、水面下ではアメリカによるけん制の動きも出ています。

中国による周辺海域への勢力拡大の動きで波高高まる東アジアの海、水面下ではアメリカによるけん制の動きも出ています。
日本に飛来した巨大爆撃機や大型無人偵察機のグアム配備の狙いを読み解きました。

中国外務省の姜瑜副報道局長は、「中国は領有権に関して、ためらうことはないと強調しておく」と語った。
依然として、尖閣諸島の領有を強硬に主張する中国による日本への圧力がエスカレートしつつあった17日、雲間を縫い、青森県の三沢基地にアメリカ空軍最大の爆撃機が飛来した。
B-52Hは、翼から翼の幅は56メートル余りの大型爆撃機で、爆弾などの搭載量は31トンを超える。
B-52Hは空中発射型で、射程2,000km以上の巡航ミサイルを20発以上搭載する能力を持つ。
こうした大型爆撃機が、日本にやって来た意味とは。
軍事評論家の岡部 いさく氏は、「中国へのけん制っていうことになるんじゃないですかね。この搭載するAGM-86C巡航ミサイルの射程、これは正確には不明なんですけども、それだと日本周辺から中国の内陸の一部まで届くことになるわけですから」と語った。
岡部氏によれば、実は領土・領海に関する中国側の強硬姿勢は、日本に対するものだけではないという。
軍事評論家の岡部 いさく氏は、「中国はことしの6月には、南シナ海の方で、やはりだ捕された漁船をめぐって、インドネシア海軍と一触即発の状態になっているんですよね」と語った。
その時、インドネシア海軍に圧力を加えたのが、「漁政311」という船で、中国で「漁業監視船」と呼ばれている。
中国の農業省南海区行政局長は、「これからわれわれは、南沙海域の警戒や保護に力を入れることを決めた。さらに多くの漁業監視船を派遣する」と話した。
南シナ海でスプラトリー諸島などの帰属をめぐって、東南アジア諸国と摩擦を抱えている中国。
軍事評論家の岡部 いさく氏は、「この漁政311は、以前は中国海軍南海艦隊の潜水艦救難艦、つまり元は軍艦の一種だったわけです。中国は今、海軍力を増強していて、その一方で、こういう元軍艦を漁業監視船などに転用して、海洋権益の確保と拡大に努めているということなんですよね」と語った。
近年の中国海軍の増強とともに、こうした東シナ海や南シナ海での中国の行動をアメリカはどう見ていたのか。
中国漁船の衝突事件が起こる以前の8月16日、アメリカはこんな見解を示していた。
アメリカ国務省のクローリー次官補は、「安保条約は日本の施政権下にある領域に適用される。(安保)条約が尖閣諸島に適用されるかと問われれば、その答えは『Yes』だ」と語った。
さらに9月、アメリカの最新鋭長距離無人偵察機「グローバルホーク」がグアム島に配備された。
最大飛行時間は36時間以上、100km先の移動目標を探知できるレーダーも搭載している。
巡航ミサイルを多数搭載できる大型爆撃機の日本への飛来、そして長距離無人偵察機のグアムへの配備、アメリカの意図とは。
軍事評論家の岡部 いさく氏は、「アメリカは、今のこの中国の海洋権益拡大の動きに対して、これを自分に対抗する動きとしてとらえ、これを監視するとともに、対抗手段があるということを見せようとしているようですね。ひょっとすると、この日中関係のきしみというのも、米中関係という大きな動きの一部分なのかなという気もしてきます」と語った。

(09/24 00:19)


[ high / low ]

「国際」の最新記事

最新記事