【北陸発】『自転車共同』出足鈍く 富山の事業 開始半年2010年9月22日
1日の利用回数 予想の半分富山市で始まった自転車共同利用事業は二十日で半年。登録者や利用回数は徐々に伸びているものの、一日の利用回数は当初予想の半分以下にとどまっている。事業運営会社のシクロシティ(東京都)は法人登録の導入も検討している。(永井響太) 事業は、パリなど欧州六十七都市で普及しているシステムを全国で初めて導入。市街地で自動車の利用を抑えて二酸化炭素(CO2)の排出を削減し、回遊性を高めるのが目的だ。自転車はJR富山駅前など市内中心部の計十五カ所に計約百五十台置かれ、どの拠点でも二十四時間自由に乗り降りできる。 同社によると、三月二十日の事業開始から八月末までの登録者数は八百三十五件で、利用回数は延べ二万八百十回。一日あたりの利用回数は百二十六回で、想定した二百七十回の半分以下。 同社は中心市街地の企業から「法人で登録できる制度を」と市を通して要望を受け、法人向けの会員登録の開始に向け準備を進めている。 伸び悩みの一因として、会員登録にはインターネットか郵送による申し込みが必要で、料金の決済は原則クレジットカードのみとするなど、手続きの煩雑さを指摘する声もある。 まちづくりに詳しい富山大人文学部の大西宏治准教授は「まずは手続きの簡素化」とした上で「学生証とパスをセットにして高校生が使えば、大人になったときに利用してもらえる」と、高校生などに無料パスを配ることを提案する。 森雅志市長は「車に頼らず周遊できる装置があることが大事。五年、十年の長い期間で評価すべきだ」と話している。
|
|