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2010-09-23 日中関係、緊迫

_ 「 てっちん 」 日中関係、緊迫

やはり中国ともめだした。沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で起きた漁船衝突事件で、ニューヨーク滞在中の中国の温首相が船長を即時・無条件で釈放するよう日本に要求した。仙谷官房長官が明らかにした「日中ハイレベルでの話し合い」の日本政府対応もあっさりと拒否された。漁船の船長の跳ね上がり行為はついに日中両国の緊張に発展してしまった。

本当に政府の今回の対応は拙劣だ。代表選の最中に起きた問題だから、菅首相も知らぬ顔をして、全員釈放しておけばよかったものを乗組員と船は返還したが、船長は残してしまった。そして「国内法に従って公正な対処を」と繰り返している。中国のNO2の温首相が表に出て文句を言い始めたのだから、船長を釈放するしか向こうは追及の手を緩めないだろう。

本当にくだらない。尖閣諸島が現在、日本領になるか、中国領になるか、決定的な問題になっている時なら断固たる態度を取るのもいいだろう。ごたごたはしているが、そんなに切迫している時期ではないはずだ。適当に済ませておけばいいものをなぜか知らないが、教条的と言ってもよいほどの態度を示す。そんな時期ではないだろう。日本の企業は米国の経済不振で、中国に向けて活路を開いている最中だ。早くも両国の観光分野で深刻な問題が出ている。今後、進出企業などに影響が出たら政府はどうするのだ。そんな経済的に重要な国とことを構えるとは。ひょっとすると自民党の外交とは違うのだという姿勢を見せつけるためにやっているか。それとも中国と小沢氏との仲が良かったので、いやみにやっているのだろうか。そんなことはないだろうと思うが、普天間問題で日米の間はぎくしゃくし、今回の問題で日中間がまずくなれば、日本の外交はピンチに陥る可能性もある。

中国は追加の対抗策を用意していると言明していたが、23日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、中国政府が稀少資源のレアアース(希土類)の日本への全面禁輸措置を取ったと伝えた。どうやら事件への報復ではないかと思われる。これから第3、第4の矢が放たれてくるだろう。そこで理由もなく釈放することにでもなれば、日本の国内世論が許さなくなる。このまま船長を拘置して処分でもすれば、中国の世論も沸騰するはずだ。それに香港から、尖閣諸島を中国領に取り返す団体が漁船で尖閣諸島に向けて出港している。現場ではまた、海上保安庁の巡視船艇との間で緊迫したやりとりがあるに違いない。加えて22日からスタートした中国の伝統的祝日の中秋節(3連休)も終わる。そうすると、また中国の国内世論がこの問題に注目し始めるに違いない。菅首相のここ一番の指導力が問われている。

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