大和郡山市は22日、国民健康保険加入者の4%に当たる約1000人を対象に、先発医薬品(新薬)から、より安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)に切り替えた場合の差額を通知すると発表した。10月中旬から4カ月ごとに送付し、切り替えを促す。薬代の自己負担軽減や国保財政の健全化が狙いで、県内の市町村では初めて。年間約6000万円の医療費削減効果があるとみている。【熊谷仁志】
後発薬は、新薬の特許が切れた後に別の製薬会社が同じ成分で作ったもので、価格は新薬の2~7割。しかし、普及率は約2割にとどまっている。差額の通知は、厚生労働省が医療費削減に向けた取り組みの一つとして示しており、今年5月時点で全国42市町村が出している。
同市によると、国保加入者約2万5000人のうち、調剤報酬明細書(レセプト)から、後発医薬品に切り替えやすい生活習慣病関連の薬(血圧降下剤、糖尿病用剤など)の利用者に絞って4カ月ごとに対象者を抽出。実際に調剤された薬を後発医薬品に切り替えた場合の自己負担軽減額を文書で知らせる。
昨年度の市の国保加入者の医薬品代は計約11億8600万円で、前年度から約10%増加。国保事業特別会計は06、07年度と赤字だったが、保険料の引き上げにより、08年度からは黒字になった。
上田清市長は「安全面について医師会ともよく協議し、通知を出すことを決めた。国保財政にもプラスになれば」と話している。
毎日新聞 2010年9月23日 地方版