シリコンバレーで考える 安藤茂彌
【第36回】 2010年9月22日
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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学客員教授]

海底に国旗を立てて領有権を主張する
中国に日本はこんなに無防備でいいのか

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 鳩山政権から菅政権に変わった。鳩山氏より数段マシであるし、小沢氏より良い選択であると認識しているようだ。小沢氏のように対等な日米関係を表立って口にしないし、国連主義も主張しない。だが、菅氏の国防戦略の具体的なものは何も聞こえてこない。まずは普天間問題をどう解決するのか見てから菅首相の評価を決めたいというのが本音ではないだろうか。

 米国側は日米防衛協議の場で日本側にRole and Mission(役割と使命)を求めてくるようになったという。これは「自国の領土を自分で守る覚悟を示せ」と日本側に求めていることだという。米国にしてみれば、中国の脅威が高まる中で、前首相は現状認識を誤り、あらぬ方角に走り出すし、普天間の移設問題もいまだに解決できていない。米国政府にしてみれば今こそ日米同盟を強化して、共同して中国の脅威に立ち向かうべきと考えているのに、日本政府の方向性の定まらない動きに苛立ちを感じている。

 一方で、米国内ではG2(Great2)という考え方が台頭しつつある。Great2とは超大国である米国と中国の二カ国を指す。日本を同盟国と当てにしていては極東戦略が何も進展しないので、重要事項は日本には関係なくGreat2で決めればよい、とする考え方である。この考え方は日本をバイパスするジャパン・パッシングである。

 中国の脅威は軍事面、領土面のみならず資金面でも感じられるようになっている。バングラデシュ、スリランカ、パキスタン、ミャンマーといった国々に対して、中国は港湾建設、道路建設、通信網建設といったインフラ・プロジェクトに多額の海外援助を行っている。もちろん、そうしたプロジェクトでは中国の業者が特注して工事を請け負うことになるが。

 こうした海外援助も見方を変えれば、軍事的な意図を含んでいる。こうした地域に張り巡らせた港湾や道路や通信網を中国側が制御すれば、中国軍の軍事行動がとり易くなる。またその国と経済摩擦や利害衝突が起きた場合には、中国が軍事力を背景に交渉を有利に進められる。いままで中国のこうした投資を歓迎してきた諸国も、最近では警戒心を強めるようになってきた。

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安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学客員教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ


シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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