イチロー４の４！２００安打にあと「３」

2010年09月23日08時07分 / 提供：スポーツ報知

　◆ブルージェイズ５―３マリナーズ（２１日・トロント）　マリナーズ・イチロー外野手（３６）がブルージェイズ戦で４打数４安打１四球と、今季１５０試合目で初の１試合４安打をマーク。史上初の１０年連続２００安打まで残り１２試合で３本と迫った。波に乗ったヒットメーカーは２２日のブ軍戦にも、固め打ちで一気に偉業を成し遂げる。

　当てて転がせば、安打になる。イチローにとっては当然の結果だった。マウンド左に弾んだ打球を見て、素早くトップスピードに乗った。「誰が捕ったかすら、分からない。見えてたら、アウトになっちゃうもん」。３点を追う９回２死二塁。打球が投手のグラブに当たってこぼれる間に、一塁を駆け抜けた。この日４安打目で一気に今季１９７本まで積み上げた。

　２００安打を放ってきた９年間、１試合４安打も毎年続けてきた。その大当たりが、今季１５０試合目でようやく出た。「（ここまでなかったのは）知ってますよ。因果関係は分からないですけど。トータルで僕らは勝負してますから」

　この試合だけを切り取っても、総合的に圧倒した。初回に左前へ運ぶと、２打席目も同じ三遊間の当たりで、三塁手が飛びつくのが精いっぱい。３打席目は遊撃手が三塁寄りにシフトすると、すかさず広く空いた二遊間をゴロで抜いた。いずれもスライダーを意のままにはじき返した。打たれた左腕・ゼプチンスキーは「どんな球にも対応し、守備位置の穴を狙ってくる。だから２００本打つんだ」と改めて高い技術にお手上げだった。

　白星に結び付かないのは玉にキズ。それでもマ軍が１０１敗した２００８年に途中から指揮官を務めた、ナショナルズ・リグルマン監督は「もし彼が今年や０８年のマ軍じゃなく、ヤンキース、レイズなど打力のあるチームにいれば、間違いなく年間１６２得点を挙げられる。なぜなら１日１、２本の安打が当然のように計算できるから」と孤高の存在をたたえる。

　イチローが４安打を放った次の試合で、３安打を打ったケースは６度ある。最初が２００１年５月１２、１３日で、同じロジャーズ・センターでのブ軍戦だった。「安打を打ちたい本能？　止められないですよ。うっとうしいですからね、（安打数のことを）いちいち聞かれるの」。１０年連続２００安打こそ、イチ流のラブレター・フロム・カナダ―。周囲のざわめきを心地よい歓声に変える。