9月18日に発売されたニンテンドーDS用ゲームソフト『ポケットモンスターブラック・ホワイト』が好調な売れ行きを見せているなか、違法な海賊版ソフトを利用しているマジコンユーザーがウイルスに感染する被害が広がっています。
長年、ニンテンドーDSはマジコンと呼ばれる“ゲームソフトを買わなくてもダウンロードしたゲームソフトで遊べる機器”の存在に悩まされてきましたが、今回発売された『ポケットモンスターブラック・ホワイト』ではそのマジコン対策が取られていました。
この対策により正規のゲームソフトを購入しなければちゃんと遊べないはずだったのですが、その対策を無効化する回避パッチが出回り、ゲームソフトを買わずにプレイするマジコンユーザーが出てきました。
しかし、ここにきてさらに、その裏をかくウイルスが出回っているようです。
そのウイルスは前述の回避パッチを装っているもので、実行したユーザーのデスクトップ画面のスクリーンショット、最近そのパソコンで使ったファイル、Internet Explorerのお気に入りを、ある掲示板にアップロードする仕組みとなっています。
その掲示板サイトの画像がコチラです。
そして、実際にウイルスにひっかかった人のデスクトップ画面のスクリーンショット、最近そのパソコンで使ったファイルがアップロードされている状態がコチラになります。ファイル名には、ファイル共有ソフトで入手したと思われるファイル名が見えています。
画像の一部を黒く塗りつぶしているのは、ユーザ名が本人の名前と思われるためです。こちらは別のユーザですが、壁紙を家族写真らしきものにしているユーザもいました。
また、Internet Explorerのお気に入りにはブログらしきURLがあり、これをたどると複数のURLが同一人物の運営しているブログを示していました。これらの情報から、ある程度個人を特定することができます。
この偽回避パッチはイロイロなところでマジコン対策回避パッチとして提供されているようで、私が発見した偽回避パッチはアップローダにアップされており、そこへのURLリンクがとある掲示板に記載されていました。
その偽回避パッチをダウンロードしてVirusTotalで検査してみたところ、9月21日時点でこのパッチをウイルスと判断したウイルス対策ソフトはたった一つしかありませんでした。
感染した経緯を考えると被害者（？）にはあまり同情できないのですが、ウイルスを配布することは決してほめられた行為ではありません。それに、マジコンを使っている人たちは、感染し、個人情報がばらまかれたとしても、おそらく反省しないでしょう。
マジコンユーザーは、マジコンを使うことが正当な行為なのかどうか、おそらく本心ではわかっているはずです。それでも使うかどうかはその人の倫理観次第。自分でもキレイごとを言っていると思いますが、ウイルスのような外圧で矯正するものではないと思います。
暴露ウイルスを作った人はマジコンユーザーをこらしめるためにやったのかもしれませんが、そういった実力行使以外でマジコンの利用がなくなるようになれば良いなと思います。
( reynotch)