2010/09/15 事業展開

東京マルイが10万円前後の電動スクーターを発表

原付免許で乗れるメーカー保証付きの電動スクーター


東京マルイ 電動スクーター

 先日、東京ビッグサイトで開催されたパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市「第70回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2010」は、定番のギフト製品の展示のほか、様々な新製品の発表が行われる場所である。
 PRONWEB Watch編集部でも以前より春秋欠かさず取材を続けている、東京ビッグサイトを代表するビッグイベントだが、今年最も驚かせられたブースのひとつが東京マルイだ。

 東京マルイと言えば最近は鉄道模型やラジオコントロールヘリも話題だが、元々は電動エアガンやガスガンなど、銃を模した玩具“エアソフトガン”を扱うトップメーカーである。
 これまでも映画やゲームソフトとタイアップしたり、エアソフトガンを使った事件が頻発した2005年には銃刀法改正のレギュレーション作りに積極的に協力するなど、常にエアソフトガンリーディングカンパニーに相応しい事業を展開している。
 その東京マルイが今年のギフト・ショーで発表したのが、10万円前後という電動自転車並みの価格で発売される電動スクーターだ。

 今回のブースではあくまで“お披露目”なので、会場で配布されていた資料と広報担当者の説明ベースの情報ではあるが、3タイプ発表された中で最もカジュアルな「Type C」と名付けられた車種では、全長170cm、バッテリー込み重量70kg、1回の充電で走行可能な距離は約50km、定格出力は0.5kwで原付免許で運転可能、家庭のコンセントから充電可能な専用充電器付き、そしてメーカー希望価格は9万9750円というスペック。発売日は2010年11月が目標だ。
 これはヤマハが9月1日から発売を開始した電動スクーター「EC-03」の車両本体価格、25万2000円に対して半額以下という、衝撃的な価格となる。

 この価格差の最も大きな部分は「EC-03」が国内生産であるのに対し、東京マルイの電動スクーターが中国で生産されることにある。その低価格は確かに魅力的だが、現段階では国内4大メーカーがシェアのほとんどを占める国内のマーケットで、中国生産の電動スクーターが受け入れられるかは未知数と言わざるを得ない。
 その理由は手軽な電動スクーターとは言え、ブレーキ性能などの安全性や、製品そのものの寿命など、国内4大メーカーが長年積み重ねてきた信頼性は伊達ではないからだ。
 また2輪車専門誌やWebサイトで、手軽な“シティー コミューター”の性能が真剣に検証される機会が少ないのも、後発メーカーが市場に食い込む難しさのハードルを上げるだろう。
 この点に対し東京マルイは全車メーカー保証を付けることで対応するとアナウンスしており、どのような保障内容になるかなど、続報が待たれるところだ。

 電動自転車並みの価格と、玩具メーカーならではの遊び心のあるデザインは、これまでの日本のマーケットに存在しなかったツールである事は疑う余地はない。
 中国は年間の販売台数が2000万台と言われる電動バイク大国で、電動バイクを製造するメーカーも相次いで起業されていることも、また見逃せない事実である。
 電動バイク大国とエアソフトガンのリーディングカンパニーが手を組んで、日本のマーケットに送り出す電動スクーターの、今後の展開に注目だ。

東京マルイ 電動スクーター 東京マルイ 電動スクーター
東京マルイ
http://www.tokyo-marui.co.jp/

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