弘前大学医学部付属病院で受精卵が成育不可能になったのは培養器管理に過失があったとして、青森市内の夫婦が同大に1830万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、青森地裁弘前支部(村上典子裁判官)であった。大学側は請求棄却を求める答弁書を出し、争う姿勢を示した。
訴状によると、夫婦は不妊治療を受けていたが、08年10月12日、受精卵5個を入れた培養器の電源が落ちて温度が低下し、全受精卵が成育不可能になっているのが見つかった。精神的損害は甚大だと主張している。
大学側は答弁書で、因果関係の主張立証内容が不明瞭(ふめいりょう)などと指摘し、受精卵について逸失利益を算定できる法的根拠の明示などを求めた。【塚本弘毅】
毎日新聞 2010年9月23日 地方版