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2010年9月22日

けじめ? 悪ノリ? 話題の「離婚式」に迫る

「離婚式」のハイライトは、ハンマーで結婚指輪を叩き割るというセレモニー。

友人たちの結婚ラッシュがひと通り落ち着き、ここ数年、残念ながら離婚という道を選択するカップルも身近に増えてきた。しかし、離婚したことを知らずに、「久しぶり~。旦那さん(奥さん)はお元気?」と聞いて気まずい思いをしたり、年賀状が旧姓&実家の住所になっていて「えっ! 離婚したんだ」と初めて知ることも……。結婚と同じく離婚も「公」のことなので本来はお知らせするべきなのだろうが、喜ばしい話ではないだけになかなか伝え方が難しいのも事実。

ところが、最近は「離婚式」をすることで別れを再出発としてポジティブに捉えようという動きがあるらしい。日本初の「離婚式プランナー」として活動する寺井広樹さんに、その驚くべき実態を伺ってみた。寺井さんは昨年の4月からこのサービスをはじめ、これまでになんと37組もの離婚式をプロデュースしたという。専用のサイトなどは特に設けていないにもかかわらず、口コミやマスコミへの露出などで大きな反響があり、現在も1カ月先まで予約が埋まっている状況とか(!)。これだけのニーズがあることに、寺井さん自身も驚いているという。

式の流れとしては、ふたりの出会いから別れまでの写真をスライドショーで流したり、ふたりが一緒に結婚指輪をカエルのハンマーで叩き割るなど、結婚式の逆バージョンといった感じ。結婚式の「ケーキ入刀」が「ふたりでする初めての仕事」なら、ハンマー叩きは「ふたりでする最後の仕事」ということになるのだろうか……(涙)。

気になる費用は約5万5千円だそうで、意外とリーズナブル!? 会場は「離婚屋敷」と名付けられた崩壊寸前の民家をデコレーションした建物、引き出物はふたつに分かれるという意味を込めて「お箸」をチョイス。 一方、最近では「船上離婚式」や、ディズニーランドを貸し切って豪華離婚式を挙げたいという問い合わせもあるそうでビックリ。


新郎新婦ならぬ旧郎旧婦の感想としては、「けじめをつけることができ、スッキリした」というものが多いらしい。 また、参列者から、「結婚式よりも感動した」という感想を得たりするのが最もやりがいを感じる瞬間だそうだ。 さらに、寺井さんの発言で印象的だったのは、

「離婚式の申込者は8割が男性です。一般に男性の脳ミソは『名前をつけて保存』、女性は『上書き保存』といわれています。男性はあとを引くものですが、女性は終わったことに対しては比較的あっさりしています。離婚式を行って踏ん切りをつける必要があるのは、どちらかといえば男性なのかもしれないです」というもの。

これまでにプロデュースした離婚式では、参列した友人たちからの励ましでカップルが離婚を思いとどまったり、旧婦の友人が旧婦に、「ずっと好きでした」といきなりプロポーズするなど(!)、予想外のハプニングもあったとのこと。まさに人生いろいろ……現実はドラマより奇なり、といったところだろうか。

「2008年の婚活ブームの波に乗って結婚された方が、バタバタと倒れはじめています。今はリカツという言葉まで出てきました。離婚式について考えるということは、結婚自体の意味や本質を考えることでもあるんです。離婚式は離婚を助長させるものではなく、むしろ抑止させる効果も時としてあると思っています」

というわけで、一見悪ノリと受け止められかねない「離婚式」だが、人生における大きな決断に、ネガティブな想いや悔いを残さないという意味では悪くないのかも!? 「離婚」が新たな市場になるのか、それともニッチな産業に終わるのか……ビジネス的な側面からも今後の展開が気になるところだ。
(まめこ)
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多くのカップルの別れと再出発を見守ってきた、キャラクターの「Re:婚がえる」。