2010年9月22日21時14分
退任会見を終えて去る長妻昭前厚労相=22日午前、東京・霞が関、川村直子撮影
長妻昭前厚生労働相は22日の退任記者会見で、厚労省について「隠蔽(いんぺい)体質、無駄遣い、天下り体質があり、世間の期待に比べて動きがワンテンポずれていた」と評価した。その上で「かなり追及したので、厚労省にとって『天敵』の位置づけだったのでは」と振り返った。
長妻氏は、予算のムダ削減や天下りの排除による「役所文化の変革」に取り組んだと強調。「他の役所に比べ、厳しすぎるという声もあったが、一番お金を使う役所だからこそ、徹底的に見直すことが大きな力になり、道が開けると繰り返し申し上げた。だが、『どうして』との思いのあった方もいた」と、職員の理解がなかなか得られなかったことに悔しさをにじませた。
民主党の目玉政策だった子ども手当については「必ずや少子化の流れを変えるものになる」と断言。さらに、毎年2200億円の社会保障費の伸びの抑制をやめたことや、診療報酬の10年ぶりの増額、後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の廃止への取り組み、年金記録問題で全件照合の道筋をつけたことも実績として挙げた。(石塚広志)