学習塾と学校、競争の有無が生む「違い」とは(上)
予備校の講師は毎月厳しい評価にさらされるが、学校では競争がないため有能な教師も努力を怠る
予備校ではクラス編成の際に受講生が評価、受講したい講師を自ら選択
京畿道で中高生向けの塾を経営するA学院は、今年初めに教務室を閉鎖した。教務室があっても、講師たちは講義についての情報を互いに交換しようとせず、雑談ばかりしているからだ。同学院側はこの空間を、受講生たちの自習室として改装し、講師もここで講義の準備や研究を行うようにした。その結果、講師たちは受講生の間に座って、講義の準備などを行うようになった。講師のチョンさん(29)は、「受講生たちは自分を指導する講師がすぐ隣にいるため、居眠りなど絶対にできない。講師も最初はとまどったが、最近は教材研究にも熱心に取り組むようになった。受講生も、講師たちが自分に気を配ってくれるため、授業中は自然と集中力が高まってくる」と語る。
ソウル・江南地区で塾を経営するパクさん(49)は、外国語高校の教師を対象に予備校で講習を行った際、教師たちの実情を目の当たりにして失望した。昨年まで3年間、パクさんはこの外国語高校に講師を派遣して、放課後に留学希望者への指導を行っていたが、今年からその業務を担当することができなくなったため、高校側に「先生たちが指導できないのなら、塾でやり方を学んでほしい」と求めた。それがきっかけで、教師が塾を訪れ、講習を受けることになった。パクさんは「何人かの先生がやって来て、塾での指導法を真剣な表情で聞いていたが、すぐにあきらめて帰っていった。学校で生徒たちがなぜ寝てばかりいるのか、理解できるような気がする」と語る。
パクさんは「学校の先生たちは学力が高く、知識も豊富だが、授業はうまくできないようだ」と指摘し、「外国語高校の授業を受けてみたが、塾からスカウトされて学校で教えるようになった先生でさえも、授業の進め方はひどかった。これを見ると、おそらく学校では授業の準備にあまり力を入れていないようだ」と語る。さらに「うちの塾は1カ月に1回、講師同士で評価を行っている。そこでは定期的に互いの教材などを交換し、意見を出し合っている」と話した。