居眠り生徒の目を覚まさせる授業とは(下)
高麗大教育学科のクォン・デボン教授(58)は「韓国も知識詰め込み型の教育ではなく、生徒の好奇心を刺激し、潜在性を引き出す教育をしなければ、居眠りしている子供を起こすことはできない」とアドバイスした。
教育の専門家は「居眠り学校」が目を覚ますためには、教師が面白い授業をする努力を傾けるだけでなく、韓国の教育行政の改革も必要だと指摘する。学校教育再生保護者連合のイ・ギョンジャ代表(54)は、韓国の学校が「居眠り学校」に転落した原因の一つに「標準化」を挙げた。
イ代表は「標準化体制では教育サービスの客である生徒がサービス提供者の学校と教師に自動的に供給される。それでは教師が授業に懸命に取り組まなくても構わない構造が出来上がる」と指摘した。その上で、「標準化に伴い、政府はすべての学校の教育課程を画一化し、統制するためのシステムをつくり上げた。生徒のさまざまな要求が反映される学校教育は消え去り、学校独自の伝統や学風もなくなった」と批判した。イ代表は「標準化は全国どこの学校でも同じ教育をするように強要し、点数に縛られるあまり、生きていた学校がみんな死んでしまった」と残念がった。
生徒は本能的に学校に、統制ではなく、自律と多様性が導入されることを望んでいる。京畿道の高校に通う男子生徒C君(18)は「3年間の授業構成、学期運営などに変化がなかった。校長にもっと裁量権を与えた方がよいのではないか」と話した。C君は「学校の先生が自由な授業をしたくても、規定のせいでできない。学校に自由を与えれば、現在のように入試制度の変化についていけない問題点も解決されるのではないか」と続けた。
ソウル市内の中学校に通う男子生徒K君(15)は「大学のように自分が好きな科目を選択したい。国語、英語、数学中心ではなく、すべての科目が中心になる教育が望ましい」との意見だ。体育の先生になりたいというK君は「学校では将来自分がしたい仕事ができれば幸せだと教える一方で、国語、英語、数学だけを重視する。弁護士、医師になれとばかり言う学校は嫌だ」と話した。ソウル市内の中学校に通うA君(16)は調理師になるのが夢だったというが、「料理専門の高校に行きたくても、専門学校はどこも好成績を要求する。演技、音楽、料理がうまくても、国語、英語、数学ができなければ、したいこともできないのが現実だ」と嘆いた。
中央大教育学科のイ・ソンホ教授は「教育現場で中心となる教師を今よりも増やせば、教育界も活性化し、学校教育を嫌って塾通いする生徒も減るのではないか」と指摘する。その上で、イ教授は「ただ、競争力ある学校教育を行うためには、採用後一定期間が経過した段階で評価を受け、能力が認められた段階で初めて定年までの勤務を保障する制度の導入も検討すべきだ」と提言した。
特別取材チーム