長妻前厚労相、事務引き継ぎに終始無言

　菅改造内閣でポストを外され、内定していた総理補佐官への起用も見送られた長妻昭前厚労相（５０）が２１日、同省内の大臣室で細川律夫厚労相と事務引き継ぎを行った。和気あいあいとした雰囲気で行われることが多いセレモニーだが、副大臣だった細川氏に大臣の座を譲る形になった長妻氏は、書類にサインをする間も終始硬い表情で無言。手続きが完了すると報道陣は部屋から出され、結局２人の間に会話がないままあっけなく終了。長妻氏の傷心ぶりが漂った。

　長妻氏の処遇はこの日、ようやく筆頭副幹事長に決まった。「ミスター年金」と呼ばれ、昨年９月の鳩山内閣発足で厚労相として鳴り物入りで初入閣した長妻氏にとっては、かなりの降格人事だ。花形大臣の後は、岡田克也幹事長のもとで党務に当たる。厚労相就任後、呼び名は「ミスター検討中」に変わり、官僚とのあつれきが指摘された長妻氏。追われるような形で役所を去り、ポストも下がったことで、１年前とは対照的な再出発となる。

　長妻氏は、自身が厚労省で敷いた路線の継続を求めているが、後任の細川氏はこの日、「引き続き、長妻氏と同じ姿勢でやっていきたい」としながらも、「多少手法が違うことがあるかもしれない。話しながら物事を進めるのが私のやり方」と述べ、長妻路線からの修正をにじませた。

　［2010年9月22日8時57分　紙面から］