全勝を守り笑みがこぼれる白鵬=両国国技館(撮影・村中拓久)
「大相撲秋場所10日目」(21日、両国国技館)
横綱白鵬が関脇栃煌山を寄り切り、初日から10連勝を決めた。これで2007年初場所から23場所連続で2ケタ勝利を果たし、昭和以降では初代若乃花を抜き、2代目若乃花に並ぶ歴代3位タイとなった。初場所14日目から続く昭和以降歴代2位の連勝記録も「57」まで伸ばし、自身初の4場所連続優勝へ向けてさらに前進した。
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好調の新鋭栃煌山も、白鵬の前では子供扱いだ。立ち合いすぐに右四つに食い止め、両まわしを引いての盤石の寄り。抵抗を許さず、一気に土俵外へ追いやった。
「立ち合いも良かったし、流れも良かったし、最後も万全。いい相撲でした」と自画自賛。場所前に出げいこに赴き、何度も胸を出した相手とあって「けいこをつけた先輩だから花を持たせてくれたんじゃないの。ごっちゃんです」と余裕たっぷりに笑い飛ばした。
記録をまた1つ塗り替えた。今場所10勝目を飾り、23場所連続で2ケタ勝利。土俵の鬼と呼ばれた初代若乃花の22場所を抜き、37場所の北の湖、25場所の大鵬に続く歴代3位タイとなった。連勝記録は「57」まで伸ばし、双葉山まであと「12」だ。
記録と戦う日々に「みなさんに言われて多少硬さはあります」と打ち明けた。重圧に立ち向かう横綱に、双葉山の故郷、大分・宇佐市からうれしいプレゼントが届いた。数日前に地元関係者が『清酒 双葉山』を宮城野部屋に持参し、エールを送ってくれたという。
白鵬は「1杯飲みました」と笑みを浮かべ、「九州場所前に行こうかな」と“聖地”を訪問する計画を明かした。4場所連続で全勝優勝を果たし、胸を張って角聖に会いに行くつもりだ。
(2010年9月22日)