草野(右)と練習をする浅尾
「ビーチバレー・ふくいカップグランドスラム最終日」(20日、若狭和田海水浴場)
屈辱の9位敗退、ペアの亀裂発覚から一夜明けて、浅尾美和(24)、草野歩(25)=エスワン=の“浅草ペア”は、大会会場で、異例の猛練習を敢行した。前日は試合後と、夜間にチームの緊急会談を行い、意見を出し尽くした末に、「練習あるのみ」を確認。早速実行に移し、出直しの第1歩をしるした。女子決勝は田中姿子(35)=エコ計画、溝江明香(20)=産業能率大=組が楠原千秋(34)、三木庸子(33)組(フリー)を下して優勝。3位決定戦は浦田聖子(29)、西堀健実(29)組(フリー)が制した。
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亀裂修復へ、早朝からいきなり動いた。浅草ペアは午前7時から試合会場で約3時間、汗を流した。3位決定戦観戦後には合同練習を再開。決勝観戦後は今度は浅尾が1人で黙々と個人トレーニングを行う。練習漬けの再スタートを切った。
「捨て身じゃないけど、やれることをやっていく。あゆ(草野)と(の関係)?大丈夫です」。撤収作業の進む会場脇での練習を終えて、浅尾は明るい笑顔を披露した。
前日は試合後に2時間、宿舎に帰ってからも、話し合いの場を設けた。所属の曽根社長は「練習あるのみという結論になった。雨降って、下はまだぬかるみだけど、(次戦の)広島(呉・23日開幕)でそれぞれが納得のいくプレーができれば信用できるようになる」と解説。大会期間中の異例の猛練習は、話し合いの結果導き出した1つの答えだった。
同社長は「昨夜、『広島は背水の陣だぞ』と言った。そうしたら『背水の陣の意味が分かりません』と言われた」と苦笑。意味は分からなくても、やるべきことは分かっている。浅尾は「広島を見ていて下さい」と宣言。笑顔で逆襲を誓った。
(2010年9月20日)