【ワシントン】ホワイトハウスは12日、今年夏に引退するスティーブンズ最高裁判事の後任として10人程度の候補を検討していることを明らかにした。これまで下馬評に挙がっていなかった注目候補は、西海岸各州を中心とした地域を担当する第9巡回控訴裁判所のシドニー・トーマス判事(56)だ。
同判事が指名・承認されれば、米東海岸で活躍していた法曹関係者で占められている最高裁判事に、西海岸の法曹界の代表が入ることになり、地理的な多様性が生まれる。また、北東部の名門大学(アイビーリーグ)出身者ではないただ一人の最高裁判事となる。
トーマス判事はモンタナ州生まれで、モンタナ大学法学大学院を卒業した。同判事が民間にいた1970~80年代に一緒に働いた経験のある弁護士のラリー・ピーターセン氏は、トーマス氏について「考え方は穏健で、おそらく中道の左派だろう」と語る。
法曹界では、すでにエレーナ・ケーガン訴訟長官、メリック・ガーランド、ダイアン・ウッドの両連邦控訴裁判事の3人の名が挙がっている。また、ジョージア州首席判事を務めたリー・ワード・シアーズ氏も、ホワイトハウスの候補リストに載っているという。政治家では、ジェニファー・グランホルム・ミシガン州知事、ジャネット・ナポリターノ国土安全保障長官が候補となっている。