柴野元衆院議員ら逮捕…架空増資事件

　バイオ燃料開発会社「日本中油」（東京）をめぐる架空増資事件で東京地検特捜部は２１日、実体がない約１２億円分の増資をしたとして、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で社長の元衆院議員柴野多伊三（５９）、前社長清水大作（４０）両容疑者を逮捕した。

　逮捕容疑は、第三者に貸付債権があるように装って２００９年８月の日本中油設立時、資本金の額を２０００万円と虚偽申請。１２月２４日には資本金の額を１２億５０００万円（発行済み株式総数１２万５０００株）と偽る架空の増資をするなどした疑い。

　特捜部は、柴野容疑者らが数千万円を「見せ金」に、出資者から新株購入代金が銀行口座に振り込まれたように装い、引き出しては再び戻す手法を繰り返していたとみて調べている。

　捜査関係者によると、日本中油は増資登記の直前、燃料開発を進める投資事業組合（ファンド）をつくり、証券会社「すみれ証券」（現マスター証券、東京）を窓口に１０億円の投資を募った。

　柴野容疑者らは、架空増資で企業規模を大きく見せることで、投資家を信頼させて１０億円を集めようとする目的があったとみられる。

　柴野容疑者は１９９３年の衆院選で新生党（当時）公認で初当選。当選１回。新潟県出身。

（2010年9月21日19時54分  スポーツ報知）

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