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尖閣諸島付近での日本の巡視船と中国漁船との衝突事件が、人気グループ「SMAP」のコンサートにも影響を与える可能性が出てきた。同グループは10月9、10日に上海で初の海外コンサートを計画しているが、チケットの販売を一時停止したことが20日、明らかになった。現地の代理店は「主催筋の通知により18日から停止した」と説明するが、場合によっては公演自体がキャンセルとなる可能性も示唆している。
SMAPがグループ初の海外公演を前に、またトラブルに見舞われた。今回、チケットを取り扱う「永楽票務」が18日からチケット販売を一時停止。同社は公式サイトでSMAPの公演を紹介するページを掲載しているが「この公演は現在、販売を停止しております」との告知が記載されている。
理由については明らかにされていないが、衝突事件の後、中国で反日機運が高まっていることが影響しているとみられる。チケット販売関係者が購入を希望するファンに対し、公演中止の可能性があり「しばらく販売を止める」と説明していたことが明らかになるなど、事態は緊迫している。
上海ではこの日の午後、日本総領事館前で中国人の若者が「中国船長を返せ」などと書いた横断幕を掲げ、抗議活動を行った。また、19日夜には杭州の日本人学校にレンガが投げ込まれていたことも発覚。このまま反日運動が拡大すれば、公演に大きな影響が出るのは間違いない。
SMAPは6月に上海万博でイベントを予定していたが、観客が殺到することが予想されたことから直前で中止を決定。今回は現地で最も大きい上海体育場で2日間、8万人を動員する予定となっており、メンバーがコンサートにかける意気込みは強かった。公演決定時、木村拓哉(37)は「急な中止もあったし、楽しみにしてくれてた人たちに改めて会える機会を作れたのがうれしい」とコメント。今月9日にはメンバー全員で、東京で上海の記者と電話会見し「最高のライブになる」と意気込みを語っていた。
衝突事件が発生した後も、15日の東京ドーム公演には中国の程永華駐日大使も駆けつけ、コンサートを鑑賞。SMAPのメンバーと観客から「せーの! よろしくお願いします!」と一斉に声を掛けられると笑顔を見せ、終演後にはメンバーと談笑し、記念撮影もしていた。
SMAPが所属するジャニーズ事務所によると、現在は主催者サイドと連絡を取り合っている状態で「報道を聞いて驚いている。今後の推移を見守りたい」としている。中国進出について木村は「政治にはできない、草の根の部分での交流が僕らの役割」と話していたが、皮肉にも政治問題に大きく翻弄(ほんろう)されることとなった。
(2010年9月21日06時01分 スポーツ報知)
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