戦後の混乱期の1949年、旧国鉄三鷹駅構内で無人電車が暴走して脱線し、6人が死亡した「三鷹事件」で、再審請求中に獄死した竹内景助・元死刑囚の長男(67)が近く、東京高裁に第2次再審請求を申し立てる。弁護団が22日、明らかにした。
事件では国鉄労働組合員10人が電車転覆致死罪で起訴されて9人は無罪となったが、竹内元死刑囚は電車を暴走させた実行犯として55年に死刑が確定。56年に無罪を訴えて再審請求したが、67年に脳腫瘍(しゅよう)で獄中死し、東京高裁が「請求人の死亡」を理由に再審手続きを終了していた。
弁護団によると、新証拠は約30点。竹内元死刑囚の「自白」通りの方法では電車を暴走させることはできないとする専門家の鑑定書や、刑務所内で元死刑囚と交流のあった刑務官の証言などに加え、第1次再審請求で判断されなかった元上司らによるアリバイ証言なども改めて提出するという。【伊藤一郎】
毎日新聞 2010年9月22日 20時03分(最終更新 9月22日 21時41分)