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呼吸器外し殺人 「結論」半年から数年 元看護助手再審請求で弁護人会見 滋賀
東近江市の湖東記念病院で、入院患者の男性=当時(72)=を殺害したとして、懲役12年の実刑判決を受けた西山美香受刑者(30)が21日、「自白は虚偽の供述」として無罪を求め大津地裁に行った再審請求。刑が確定したのは平成19年5月で、すでに3年以上が経過。会見した弁護人は無罪を強く主張したのに対し、地検は今後、内容を検討するとした。再審するかどうかは地裁にゆだねられ、弁護人によると、通常、結論が出るまでには半年から数年かかる。
弁護人によると、今回新たに提出した証拠は、大谷大学の脇中洋教授(法心理学)が西山受刑者の供述調書や手紙など72通を分析した鑑定書や、自供書や手紙に対する西山受刑者の回答書など8点。
鑑定書では、人工呼吸器のチューブを外した際に鳴るアラームについての供述が、「鳴らなかった」「鳴ったが放っておいた」「消音ボタンを押した」など変遷が著しく、「供述は体験に基づかない虚偽のもの」と指摘している。
請求後、地裁で会見した弁護人は、若松芳也弁護士と、村岡美奈弁護士。若松弁護士は「取調官の捜査手法が問題。自白は信用できず無罪だ」と主張した。また、村岡弁護士は「早く事実が明らかになってほしい」と訴えた。今後、大津地裁が再審請求書や新たな証拠を検討、再審するかどうかを判断する。
大津地検の広上克洋次席検事は再審請求を受け、「これから内容を検討した上で、適切に対応したい」と話した。
西山受刑者は捜査段階では犯行を認めたが、公判では無罪を主張。しかし、1審で懲役12年判決をうけ、2審、最高裁も支持し、刑が確定した。