ここから本文エリア 訪中延期「残念だ」2010年09月22日 沖縄県尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突した事件。中国側が受け入れ延期を通知してきた「日本青年上海万博訪問団」には県内から9人が参加予定だった。突然の延期連絡に「仕方がない」「残念だ」との声も上がる。だが、県内の日中友好団体の関係者は、今回の事件が長年続く民間交流に大きな影響を及ぼすことはないのでは、と冷静な見方をしている。(栗田有宏) 日本青年上海万博訪問団の参加者の一人、那珂市の小宅清史さん(36)は20日、訪問団が出発する関西空港へ向かうため、JR勝田駅へ車で向かっていた。そこへ携帯電話に延期の連絡が入った。 小宅さんは、ひたちなか青年会議所に所属し、県日中友好協会青年委員会の役員を務める。小宅さんをはじめ、今回の訪問団に参加予定の県内の9人は同青年委員会のメンバーが中心。小宅さんによると、訪問期間中、中国側の各種団体への表敬訪問が主に予定されているという。 同青年委員会が中心となって、日中の若者の文化交流を深めようと8月8日、中国・上海の万博会場で「TEEN’S ROCK in SHANGHAI」(ティーンズ・ロック・イン上海)を開いた。日中両国のアマチュアバンド5組ずつが演奏、準備や司会進行も日中の高校生が手がけ、1万5千人の観客を集めた。県日中友好協会の会長を務める橋本昌知事も、会場を訪れあいさつした。 「中国の青年たちと、あのときの話もしたかったなあ」と小宅さんは延期を残念がる。と同時に「国同士の問題で仕方がないと思う。でも、民間レベルでは、向こう(中国側)もどうということはない」とも感じているという。 同青年委員会の委員長を務め、ティーンズ・ロック・イン上海を企画した五十嵐統洸(のりお)さん(41)は、今回の訪問団には加わらなかったが、訪問団参加者のとりまとめ役を務め、参加者全員にメールで延期の連絡をした。 漁船衝突事件について五十嵐さんは「両政府とも、バランス感覚をもって、早めに落としどころを見つけ解決を図ってほしい」と望む。そして、「民間でできる交流を我々はやる。来年はティーンズロックを日本でやるぞ、という気持ちは変わらずやっていきたい」と意気込んでいる。 県日中友好協会副会長の森富士夫さんは、小泉純一郎元首相が靖国神社を参拝し日中関係の悪化を招いた時も協会は友好活動を続けていたとし、「こういう時にこそ、私たちの民間の外交が果たす役目もあるのでは」と話す。 ◆ツアー客などに影響は見られず 茨城と中国を結ぶ人の行き来には、目に見える影響は出ていないようだ。 茨城空港に乗り入れる中国の民営格安航空会社、春秋航空は21日から、10月分の上海線13往復について片道4千円チケットの売り出しを開始した。同社茨城支社によると売れ行きは好調で、この日売り出した分はほとんど売り切れたという。特に、人気アイドルグループ「SMAP」の上海でのコンサートが一時予定された10月9、10日ごろの便は特に売れ行きがよいという。 同支社の担当者は「中国からのツアー客のキャンセルも今のところ出ていない」と話している。 150人の中国人留学生がいる茨城大は9月末まで夏休み期間中で、漁船衝突事件の
マイタウン茨城
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