野球:巨人2軍の韓国人コーチ「施設がうらやましい」(上)
- 巨人の2軍球場で会った宋津宇コーチは、日本進出を夢見る後輩、柳賢振(リュ・ヒョンジン)に対して「未来をあまり意識せず、自分のやるべきことをコツコツと続けるなら、いつか必ずチャンスはやって来る」とアドバイスした。
日本プロ野球の巨人2軍の球場へ行くと、イ・スンヨプ(34)のほかにもう一人、韓国野球界のスターがいる。韓国プロ野球界で最多勝記録(210勝)を打ち立てた宋津宇(ソン・ジヌ)コーチ(44)だ。昨年ハンファを引退し、巨人でのコーチ研修にやって来た。韓国を離れて約1年になるが、宋コーチは真っ黒に日焼けしていた。「1シーズンでも2軍にいれば、誰でもこうなりますよ」
■「優れた施設がうらやましい」
宋コーチは日本でも「会長」と呼ばれている。難関といわれている巨人のコーチ研修の座に就けたのは、ハンファのサポートもさることながら、韓国プロ野球界での立派な経歴が認められたからだ。
「ここにいる2軍投手くらいの球なら、今でも投げる自信はあります。わたしのボールを受けた選手たちが口々に皆そう言うんです。スピードはかなり落ちましたが、変化球と制球力はまだまだいけると思いますよ」。自信のほどをのぞかせた宋コーチは、「日本には選手の数こそ多いですが、それなりに通じる選手となると、あまり見られません」と話した。
「ここにいる選手たちは、何だか温室育ちの草花とでも言いましょうか。韓国の選手たちはしつこく食らい付いてくるたくましさがありますが、ここにいる選手たちは、何だかぬるま湯にでも漬かっているような、意味のない時間を何となく過ごしている選手たちが多いんです」
さらに「韓国野球を見詰める日本野球界の視線ががらっと変わったのを感じます。野球のレベルが上がったというプライドは感じますが、プロの施設を比べると、力が抜けてしまいます」とつぶやいた。「巨人の2軍の練習施設は本当にうらやましい限りです。室内練習場では、内野のノック、バッティング練習、ピッチング練習をそれぞれ同時に行うことができます」
その上で「韓国のプロ野球界にも、女性ファンや家族連れが多くなり、観客動員数も毎年増えていますが、インフラの改善が伴わなければなりません」と声を高めた。