五輪2連覇の谷本は時折、笑顔を見せながら答えた。
-最終的に引退を決めたのは。
「8月末に(引退という)一部報道があった。報道の反響が大きくて『お疲れさま』という言葉をたくさんもらい、五輪にはなかった達成感が込み上げてきた」
-最も思い出深い試合は。
「最大のライバルであったフランスのドコス選手との北京五輪決勝。彼女とは19歳の時の世界ジュニアで初めて決勝戦をして一本負けしていた」
-一本にこだわり続けた理由は。
「小さな子どもたちが一生懸命に一本を取りにいくのを見て、これこそが柔道だなと学んだところから。勝った試合の9割近くが一本勝ちだったとある人から聞いた」
-指導者としてどのようなことを伝えたいか。
「私が教えてもらったのは人間教育。形にはめるのではなく、みんなの良いところを引き出して戦えるようにアドバイスしたい。私の経験したことを伝えていけるようにしたい。最終的には海外にも出て行きたい」
(2010年9月21日)