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【コラム 撃戦記】

選手がネットでファイトマネーを稼ぐ時代

2010年9月19日

 日本のテレビCM第1号は、日本テレビが1953年8月28日に本放送を開始した日の正午の時報を告げたセイコーで、東京・銀座の服部時計店の時計台が使われた。それから57年。時節柄、広告を取り巻く状況が厳しく、それがスポーツイベントにも影響を及ぼしている。

 特に格闘技界は厳しい。この現状を肌で感じているのはほかならぬ選手のようだ。インターネットにホームページを開設し、ブログで存在をアピールしてファンを増やす努力をしているケースが目立つ。

 世界のベルトも、ボクシングをやっていれば誰でも挑戦できるとは限らない。実力と人気が備わってこそで、人気の後押しとなっているのがネットというのも皮肉だ。ファイトマネーは現金決済が原則だが、今なお一部をチケットで支払う風習が残る業界で、ネットの効果は大きい。あるジムの会長は「世界戦で1000万円も売る選手が何人かいる」と、選手とファンの間をネットがつないでいる状況を歓迎している。

 “プロは客を呼んでナンボ”の世界。広告が厳しい中で、選手が業界の救世主になりつつあるのは興味深い。 (格闘技評論家)

 

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