ヤクルトに負け足早にグラウンドを去る落合監督(撮影・棚橋慶太)
「ヤクルト4‐3中日」(20日、神宮)
足早にベンチを出た。敗北が決まると、必ずスコアボードに視線を向けるオレ流指揮官が、真っすぐ前だけを見て歩を進めた。苦手・ヤクルトに痛すぎる1点差の惜敗。1・5差。真弓阪神の足音が聞こえる。肌を伝う空気が不快だった。
機械的に、精密に試合を運ぶオレ流野球が乱れた。初回、無死一塁から、大島が送りバント失敗。走者を進められず、森野が併殺。二回には2死一、三塁から、森野が投手・中沢の打球を後逸(記録は安打)した。一時は勝ち越しに成功したが、逆転負けは必然の流れだったのか。
「今に始まったことじゃないよ」。落合監督は戦犯の名を出すことも、やり玉に挙げることもなかった。ミス続出に泣き続けた今季。どこまでも続く負の流れを感じた。残り6試合。大事なのは過程より結果。一喜一憂する時期は、もうとっくに過ぎ去ったということなのだ。
時計の針が戻せるものならば、いくらでも悔やんだであろう。しかし、振り返っても、過去は取り戻せない。ならば答えはひとつ。決して後ろを見るんじゃない。前だけを見ろ‐。
今季の命運を占うタテジマとの直接対決3番勝負。火花散る激しいバトル。勝つしかない。飢えた獣のように、目前の敵を倒す。かみついたら離さない。虎の猛進は竜が止める。そして天に舞う。
(2010年9月20日)
【関連記事】
・中日1点差負け 6カードぶり負け越し
・和田2打席連発!オレ竜堅首2・5差
・暴言退場の中日・落合監督に罰金5万円
・竜どうしたオレオレ連敗…指揮官暴言退場
・落合竜、首位の余裕?軽めの調整