政権交代から約1年、菅直人首相の続投が決まった民主党政権では、これまで総勢25人の閣僚が誕生したが、果たして彼らは国民の期待に応える働きをしてきたのか。
「日経ビジネス」「日経ビジネスオンライン」では、今回の代表選に合わせ、読者アンケートを実施した。同時に「部下」として仕えてきた霞が関の官僚にも閣僚の評価を聞いた。独自の“閣僚仕分け”からうかがえるのは、当初の期待を下回るという厳しい現実だ。
まず、各閣僚の働きぶりについて評価してもらった。日経ビジネスオンラインのアンケートでは、全閣僚の平均は5段階評価で1.97。最高でも2.66と中間値の3にも届かなかった。
個別閣僚の評価で首位となったのは前原誠司・国土交通相。八ツ場ダムの建設中止方針表明や経営破綻した日本航空(JAL)問題への対処など、物議を醸す行動もしばしばだが、羽田空港の国際化など自民党政権時代には見送られてきた課題に手をつけたことなどが評価されている。また、高速道路無料化問題などで小沢一郎幹事長(当時)に真っ向から反論したことなどから「堂々と自己主張ができている」(50代、男性)といった声もあった。
僅差の2位となったのが岡田克也外相。記者会見をオープンにするなど従来の枠組みを変えようとする姿勢が前向きにとらえられているようだ。鳩山由紀夫・首相時代の米軍普天間基地問題では担当大臣の1人だったが、読者からは「あのブレまくりの総理の下でよくやっていた」(40代、男性)といった“同情論”も散見される。
3位の蓮舫・行政刷新担当相が閣僚として働いた期間は3カ月程度しかない。それでも事業仕分けでの鮮烈なイメージが回答者の脳裏に焼きついていたことが影響したと見られる。
以下、4位の藤井裕久財務相(鳩山政権)、5位の枝野幸男・行政刷新担当相(同)と、上位には比較的、小沢氏と距離を置く顔ぶれが目立つ。今回の代表選では菅氏が勝利したが、閣僚の評価でも小沢氏から遠い政治家の方が好まれる傾向があると言えそうだ。
「菅財務相」は官僚から高評価
一方、官僚の見方はどうか。前原氏、岡田氏はこちらでも上位だったが、それを抑えたのが直嶋正行・経済産業相。6月に閣議決定した新成長戦略を取りまとめたことなどが評価されている。自分たちのの上司として、派手なパフォーマンスよりも、政治家としての実務能力に力点が置いた結果と言えるだろう。ただし、直嶋氏については「官僚の振り付け通りに動く」との指摘もある。
同じことは仙谷由人・官房長官や野田佳彦財務相、菅首相にも言える。いずれも読者調査では平均以下だったが、官僚によるランキングではそれぞれ2位、5位、7位と平均を大きく上回っている。特に菅氏については首相としてよりも鳩山政権での財務相として高く評価する声がある。
「行政の長として現実を見据えた国家運営を考えるようになった」(30代、財務省)と、野党から与党へ立場が変わったことへの対応が前向きにとらえられているが、額面通りには受け取れないだろう。「菅氏は財務省に取り込まれた」とささやかれたように、官僚にとってコントロールしやすいことを示しているとも言えるからだ。
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