郵便の割引制度をめぐり、うその証明書が発行された事件で、無罪判決を受けた厚生労働省の村木元局長について大阪地方検察庁は21日、無罪判決を受け入れるとして控訴しない手続きを取り、村木元局長の無罪が確定しました。
厚生労働省の村木厚子元局長(54)は、障害者団体向けの郵便割引制度を悪用しようとした団体のために、うその証明書を作成した罪に問われましたが、大阪地方裁判所は今月10日、検察が描いた事件の構図をすべて否定し、村木元局長に無罪を言い渡しました。この判決について大阪地方検察庁は、最高検察庁などと協議した結果、無罪判決を受け入れるとして、21日、控訴しない手続きを取り、村木元局長の無罪が確定しました。これにより村木元局長は、21日付けで厚生労働省に復職しました。村木元局長は起訴された去年7月から大臣官房付きで休職という扱いになっていました。厚生労働省によりますと、22日には大臣官房付きのまま職場に復帰する見通しだということです。細川厚生労働大臣は、東京都内で記者団に対し「証拠の改ざんという、ほんとうにあってはならないことが行われた。主任検事の逮捕や、検察が控訴しないのは当然で、なぜこうした問題が起こったのか徹底的に解明してほしい」と述べました。また細川大臣は、村木元局長について「当然、あす(22日)から厚生労働省の職場に復帰してもらう。まずは大臣官房付きで復帰してもらい、村木元局長のこれまでの苦労も考えて、早く実際の仕事ができるようにさせてあげたい」と述べました。