批判を恐れずに書くよ。

新しいゲームの発表をしたら、やっぱり評判ってやつが気になる。
まあ、モンハンなんかの鉄板タイトルは気にすることなんてないけど、新規タイトルや続編なんかはどう思われてるのか?どうして欲しいのか?なんて気になるよな。

だから、見たくはないけどネットの評判みるんだよな。

見ない方がいいと言う意見も多い中、見てるとやっぱり気分は良くない。

悲しいというか、現実とのかい離というか距離に唖然とする。

マトモに受け取って、こんなブログ書かなくていいと言うのも正論だし、それでいいんだろうけど、あえて。

稲船がカプコン辞めたら、きっとネット上ではお祝いパーティーなんだろうね。 そうか無責任な男扱いかどちらかか。 いずれにせよ叩く。

で、カプコンのゲームは勝手に作られると思い続けるんだろうな。

なにかあったら、死ねだの辞めろだの、ボキャブラリーの少なさには閉口するよ。

で、こんなこと書かれたら、また火が付いて、死ね、辞めろ、病気と同じ表現でののしる。
あ、どんな判断だ。と金ドブもね。^^

批判する人が集まるネット上のサービスで、それは気にしてはいけないと言うのが常識。
ゲーム業界で働いていたら(働いてなくてもか)みんな知ってること。

批判する人たちって、ゲーム発表したら批判が始まるけど、批判するゲームは買わないのかな? やらないのかな?
あんなけ批判してれば、やれるゲームないんじゃない?

もしやってたのなら、かなり自虐というかMっけたっぷりだよな。

自分が発売日に買って遊ぶタイトルを批判し、ののしり、大事なお金投資して時間もつかって、また批判する。
不思議な構図だ。

違うとしたら、誰か説明してほしい。
批判する人たちはゲームをしない人たち(もしくは限られた一部のゲームしかしない)で、業界のことも殆どしらない人たちっていうのなら納得かな。 違う?

批判することは「表現の自由」の一部だと思うんで、何も問題ないと思うし、どうぞ勝手に、なんだけど。

俺が好きに日本のゲームはダメだとも、DMCを海外で作らせても、鉄騎の続編をKINECTでやろうとも、内作でなく外部のディベロッパーと手を組もうとも、俺のブログで愚痴ろうとも、とやかく言われる筋合いはない。
これこそ「表現の自由」だ。

それから、直ぐに「鬱」だとか言うのも、鬱で悩んでいる人と接したことがあるのか?あるわけがないよな、あったらそんなこと言って人を馬鹿にすることなんて出来る訳がない。
出来るのなら、人の心が欠如しているのかもしれないんで、そっちこそ病院へいくことを勧めるよ。

俺はゲーム作りに誇りを持ってる。
ゲームってクリエイティブで沢山のユーザーに夢と楽しみを与えてこれたと思っている。
「ロックマン」で育った人たちが今、ゲームクリエイターとして頑張っている人たちもいっぱい知ってる。

俺だって、「スーパーマリオ」がなければきっとこの業界には入っていない。 宮本茂さんがいなければ俺はここに存在しないと言っても過言じゃない。

人は批判するより、尊敬した方(俺をとは言ってないぞ、一般論)が良くないかい?
批判する時には、なにか目的あった方が良くないかい?
例えば、出来てないことを分かってもらって奮起してもらうとか。

「日本のゲームは死んだ」
そう発言したのは、明らかな奮起の呼び掛けだ。
このままではいけない、このまま指をくわえて海外の作品ばかりに売り上げ、評価を持っていかれて平気かと。

その後もそういうフォローのインタビューにも答えているが、そこは取り上げられない。

日本のゲームが負けてることに一番心痛めているのは俺なんだよ。
だから、必死で世界から何かを学ぼうとしているんだ。

海外外注に丸投げ、内作じゃない。 そんなこと言われるほど、甘い仕事ぶりじゃないんだよ。
命を削るっていうのは、今のこういう状態を言ううんだと確信している。

安全な場所で、無責任なこと言って、どうなってもなんの関係もない人たちに批判されるような仕事なんてしていない。

ちなみに熱くなっても「病気」ではありません「性格」です。

6年前、カプコン開発を引き継いだ時、カプコンは瀕死状態でした。
ヒット作にも恵まれず、開発人員のモティベーションもどん底、会社の利益に至っては真っ赤。
マイナススタートでの船出。 まさに「泥船」に乗ってる気分だよ。

でもカプコン開発陣は諦めなかった。
組織を立て直し、徹底的にいけなかったことの改善に取り組んだ。
開発が最も不得意とする「管理」って部分も例外なくね。

俺が任されてから、毎年売り上げ利益が右肩上がりになって、一昨年のバイオ5とスト4があった年は過去最高売り上げにまでいった。

その間、反対を押し切ったタイトルは数知れず、カプコン復活のためにはタブーはあってはならないという信念で戦った。

バイオ4のPS2判、デッドライジング、ロストプラネットのXbox360での制作、モンハンフロンティアの制作、スト4の外部委託、および制作、デビルメイクライの360版、モンハンP2Gの制作、スーパースト4の制作、全部反対を押し切って作ったものだ。

会社の反対を押し切るって簡単に言うけど、押し切る時は常にクビを覚悟するんだよ。 失敗したらその地位もくそもないんだ。 失敗を望む人たちも中にはいるんだ。 その中で反対を押し切るんだ。 全責任を負うつもりで。 で、成功しても当たり前で褒められはしない。 失敗すれば地獄。 なんでそんなこと出来ると思う? 信念だけだよ。

これらは全部、会社に貢献出来たタイトル。
会社を立て直すくらいの貢献をな。 で、褒められたのか? 覚えがないな^^ やっぱりな。

もちろん反対を押し切って失敗したタイトルもある。
バイオニックコマンドーだけ。 
しかし、この失敗で学び、海外ディベロッパーとの取り組みが激変した。
タダでは転ばんよ。

社内で、たまたま稲船が統括してから売り上げがあがった。たまたまヒットが連発したなんて言われたこともあった。
たまたま? 日本語の意味知らないんじゃない?

会社ってものは多数決とって進むんではなく、信念をもった一人の力で強引に進むことも大切なんだ。
過去、俺は強引にこの会社を引っ張った。

で、また日本のゲームのピンチと共にカプコンもピンチを迎えようとしている。
また俺の出番がきた。
昨年から、もっと開発にしゃしゃり出て、あれこれ指示を与え始めた。

うっとうしいと思っているスタッフも多いかもしれないが、この会社を潰す訳にはいかない。
俺がいて潰れるなんて、俺のプライドが許さない。俺がクビになったあと潰れるのは勝手だけどね。

戦略もコンセプトも俺が担う。 人には得意、不得意があるもんだ。
カプコンスタッフは本当に優秀なんだが、戦略家がいない。 コンセプトも甘い。 そこを補えば無敵だ。

今、カプコンは過去にないぐらいの沢山のタイトルの立ち上げを行なっている。
東京ゲームショーで発表したものはほんの一部にしか過ぎない。

ここから半年、一年とビックリするようなタイトル群がカプコンにはある。

批判にめげてたり、気にしてる暇はないんだ。
ユーザーを驚かせ、ユーザーの心を揺さぶり、ユーザーをワクワクさせ、ユーザーを楽しませる。
それが、会社の利益になり、クリエイターに還元され、また新しい取り組みを始められる。

リーダーの仕事はそんな仕事なんだよ。
美味しいとこだけとって、インタビューで偉そうに言ってることが仕事じゃないんだ。
逆に美味しいとこは全部あげてるんだ。
誰もやりたがらない仕事ばかりやって、こうやってネットで嫌われることも仕事なんだよ。

タテマエばかりの発言で、売れるゲーム作れるんなら苦労はしないよ。

まあ、こんな言いたい放題言ったんだ、俺は覚悟出来てるよ。
さあ、叩きなさい!

言いたくはないが、事実の一部を上で書いたよ。 知らなかったんだから教えてあげるよ。 勘違いせず批判してもらうためにね。
俺が会社、いや開発も含め、すべての反対を押し切って作らせたゲーム、そのうち一つでもそのゲームで楽しんだ人は、少しくらい感謝してもらいたいもんだ。 ちなみにモンハンP3rdの体験版も俺が反対を押し切った。俺が関わって嫌ならやるなよ。

気に入らなきゃ、稲船のせい。 気に入ればさすがカプコン。
気に入ろうが気に入らなかろうが、稲船であり、カプコンなんだよ。
だから俺は開発を任せれてるんだ。 いや、カプコンを任されてるって言っていいはず。カプコンには開発以外大して売り上げてる事業がないからな。

さあ、言って見ろ、困ったら病気だとかに逃げるなよ。
俺は至って正常だ、ただ普通の日本人より表現が「ストレート」なだけだ。

思ったことはズバッと言う。 今の日本のゲーム業界には必要なんじゃないかい?

「大丈夫、日本のゲームは死んでない。 髭も毛穴もない主人公を頑張って作っていけば、きっと勝手にどこかで逆転できてるよ。」

そう言って、傷の舐め合いしててもダメだ。
危機感をもったもの同士が協力しあって世界に立ち向かうべき、タブーはいらない。だから本来のライバルである西洋からも学ぶんだ。
敵を作るより、味方を増やすことだ。

まあ、そういいつつこれを読んで、カッとなってる人たちは敵に回すだろうけど、それも覚悟だ。

長文で疲れただろうし、この一部を抜き出して掲載されると、意図がずれちゃうけど、まあいつもそうだからいいか。

俺のブログ読まない癖に、ネガティブ発言だけ抜き出したサイトみて、こいつ病気って人たちも多いからな。

俺は、常に思ったことをこのブログを通じて語るだけ。
ほのぼのする時もあれば、トゲトゲしてる時もある。 それが人間「稲船敬二」なんだよ。

じゃあ、覚悟してアップするか^^