【ニューヨーク=丹内敦子】サメに襲われて腕や足などを失った被害者らがこのほど、国連本部で記者会見し、多くのサメがアジアでフカヒレスープなどにするために殺されていると指摘し、サメを保護するよう訴えた。
会見はワシントンを拠点にする環境保護団体が企画。2004年にフロリダでサメに襲われてアキレス腱(けん)を切った女性は、「最初は仕返しにサメのステーキを食べることも考えた」が、悲劇を生産的なことに変えたいと思い直し、保護活動に参加するようになったという。
環境保護団体によると、毎年7300万頭のサメが、主にアジアでフカヒレスープにするため、ひれを切り落とされるなどして殺され、サメの種類の3割が絶滅の危機もしくはそれに近い状況に面しているという。サメの生育は遅く、絶滅すれば海中の生態系にも波及すると見られていることから、被害者らは乱獲やひれの切り落としをやめるよう求めた。