「Inkiness」や「ぐるなび」「ウェザーニュースタッチ」など、数多くのユーザーを持つiPhone/iPadアプリを開発してきたフェンリル。「デザインと技術への徹底したこだわり」が成長を支えてきた。フェンリルが考える「良いアプリ開発」「良いアプリ開発エンジニア」とはどのようなものか。その哲学を聞く。 |
フェンリルといえば、Webブラウザ「Sleipnir(スレイプニル)」を開発したソフトウェア企業としてその名を記憶しているエンジニアは多いことだろう。Sleipnirはタブやカスタマイズ機能を重視したデザインでユーザーの人気を集めている。
同社の成長を支えたのは、デザインと技術に対する徹底した「こだわり」である。最近は、iPhone/iPad、Androidなどのスマートフォン用アプリケーションの開発で、この「こだわり」を存分に発揮している。インクで書いたような質感のメモパッド「Inkiness」や2ちゃんねる用ブラウザ「Mosa」、「ウェザーニュースタッチ」や「ぐるなび」など、多くのユーザーを抱えるアプリを開発してきた。
そんなフェンリルが、いま新しいステージへ挑戦しようとしている。「『スマートフォンアプリ開発といえばフェンリル』といわれるような、スマートフォンで日本一の開発会社を目指します」と、同社 取締役・最高経営責任者の牧野兼史氏は意気込みを語る。同社の強みである「デザイン・技術へのこだわり」はどのようなものか、これからのスマートフォンアプリ開発者に必要なスキルは何か――牧野氏に詳しい話を聞いた。
こだわり1:「アプリ制作」をゴールと考えない |
フェンリルの主な開発部門は2つある。1つはSleipnirを中心とした自社製品の開発部門。もう1つが、他社と協力してスマートフォン用アプリの共同開発を行う部門だ。アプリ開発は、プロジェクトマネージャとエンジニアがチームを組んで行う。エンジニア1人が単独開発する場合もあるし、数人がチームで開発する場合もある。開発期間は平均で2〜3カ月ほどだ。
同社は、アプリ開発において揺るぎないポリシーがある。それは「アプリ制作をゴールとして考えない」ことだ。
「クライアント企業は、アプリ制作そのものが目的なわけではありません。そのアプリを使って何を達成したいのか、どんなユーザーにどのようなシチュエーションで使ってもらいたいのか――こうしたゴールを持っているはずです。であるなら、われわれ開発側も、同じゴールを共有しなくては良いアプリは開発できません」
「ゴールはアプリ開発そのものではなく、もっと遠くに設定すべきです」と牧野氏は主張する。
フェンリルのエンジニアは、アプリを使って達成したい目的をクライアント企業と共有する。すると、開発においてメリットがある。「細かい仕様」にとらわれない効果的な開発が行えるのだ。
「きちんとゴールを共有しておけば、ゴールに至るまでの道筋は厳密に決める必要がなくなります」。クライアントからもらった仕様書どおりに開発して「それで終わり」という開発は、フェンリルのスタイルではない。エンジニアは、ユーザーの代弁者として、かつ技術のプロフェッショナルとして、「こちらの方がより良いものになるのではないか」と積極的に提案を行う。「“クライアントのクライアント”まで考えて開発する」ことによって、妥協のないもの作りができるのだという。
こだわり2:良きアプリ開発者は良きユーザーである |
アプリ開発を生業とするエンジニアにとって必須のスキルがいくつかある。牧野氏はまず「エンジニア自身が良いユーザーであること」を挙げた。
「うちのエンジニアは、とにかくiPhoneやiPadが大好きな人が多いです。いろいろなアプリを触り、どういうユーザーインターフェイスが使いやすいのか、なぜ使いやすいのかといったことをいつも考察する、そんな人たちばかりです」
アプリ開発段階において、エンジニアは初めてのユーザーである。「この表現は誤解を招くかもしれない」「ここにボタンを置いた方が、ユーザーは使いやすい」といったことを発見し、提案しては機能に落とし込む。これを牧野氏は「デザイン力」と呼んでいる。表面上のデザインだけではなく、使いやすさや仕様を考えること。これもアプリ開発エンジニアにとって重要なスキルとなる。
また、エンジニアはユーザーの気持ちだけではなく、クライアントの都合にも気を配る必要がある。
「クライアントには、それぞれビジネス上の都合が存在します。『機能が多少落ちてもここは守ってほしい』といわれたところは守ります。ユーザーにとっての使いやすさとクライアントの都合、両方のバランスを取る感覚が重要になってきます」と、牧野氏は指摘する。
「使いやすいユーザーインターフェイス」を作るポイント |
牧野氏によれば、「使いやすいユーザーインターフェイス」を研究するポイントがある。それは「Appleが開発したアプリを参考にする」ことだ。ユーザーの多くは、Appleが開発したアプリを最もよく使う。Appleが開発したアプリとボタンの位置を同じにしたり、文言を統一したりすることによって、使いやすさはぐんと増すという。
「どんなユーザーインターフェイスにも、必ず開発者の意図があります。普段アプリを使っているときでも日常的に『なぜ』を意識し、意図を読み解こうと意識できる人は、良いアプリ開発者になる素質があります」
アプリ開発に対してやる気があるエンジニア求む |
フェンリルは、これらの「こだわり」を最大限に生かしてアプリ開発にさらに力を入れていく。「iPhone/iPadアプリの開発への強い『やる気』を持つエンジニアが欲しい」と、牧野氏は語る。
最も重視するのは、アプリに対する「センス」だ。いつもiPhoneやiPadを触っていて、「なぜこのユーザーインターフェイスはこのような作りをしているのか」と気付けるかどうか。「探究心」「こだわり」といい換えてもいいだろう。「XcodeやObjective-Cへの理解がある人、自分でアプリ開発をした経験を持つ人はもちろん歓迎しますが、これまでアプリ開発の経験がなくても大丈夫です。まず大事なのは『やる気』、これに尽きます」(牧野氏)。SIer(システムインテグレータ)で開発してきたエンジニア、Javaを使えるエンジニアでアプリ開発に興味がある人と話をしてみたい、と牧野氏は語る。
これからますますスマートフォンアプリ市場は成長することだろう。こだわりを持ちながらもの作りをしてみたいエンジニアは、フェンリルの門をたたいてみてはどうだろうか。
提供:フェンリル株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT自分戦略研究所 編集部
掲載内容有効期限:2010年10月15日
■この記事の内容について
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