BUCK-TICK
10月13日、ニューアルバムをリリース!

ちょっとファンタジックで快楽的な感じです

孤高のロックバンド、BUCK-TICKが通算18枚目となるオリジナルアルバム『RAZZLE DAZZLE』をドロップ! バンド史上最もダンサブルで、文字通りきらびやかな作品となった今作の制作背景を、B-T不動のツートップに訊いた。

L→R 星野英彦(Gu&Key)、ヤガミ・トール(Dr)、今井 寿(Gu)、樋口 豊(Ba)、櫻井敦司(Vo)

PROFILE

バクチク:1987年にメジャーデビューを果たし、日本のロックシーンが急激に加速し始めた80年代中頃から不動のメンバーで活動を続け、圧倒的なインパクトを与えながら未だシーンのトップに君臨し続けるワンアンドオンリーなロックバンド。彼らならではの独特なポップセンスとダークな世界観を深く掘り下げていく一方で、ブレイクビーツ、ドラムンベース、エレクトロニカなど、常にその時代の先鋭的な要素を積極的に取り入れ、まさにBUCK-TICKでしか成し得ない独自の音楽性を提示しながら自らの幅を広げている。ライヴシーンでもさまざまなコラボレーションツアーや韓国でのイベント出演、『SUMMAR SONIC』への参加やマリリン・マンソンとの競演など、常にスリリングでインパクトのある活動を展開。

リリース情報

アルバム
『RAZZLE DAZZLE』
Ariola Japan
【初回生産限定盤(DVD付)】
BVCL 20031〜2 3,990円

【通常盤】
BVCL 128 3,059円

オフィシャルサイト

BUCK-TICK Official Website

“猿でも乗れる”というくらい(笑)
単純でライヴで楽しめるものを
――ニューアルバム『RAZZLE DAZZLE』を聴かせていただきました。私は“ダンサブルかつキャッチーな作品”に仕上がっていると感じたのですが、メンバーさん自身の捉え方としてはいかがでしょうか?
今井:ダンサブルなもの…ライヴで乗れるものであったり、単純な四分のキックであったり、そういったところは意識して、強調した部分はありますね。
――櫻井さんはいかがですか?
櫻井:そうですねぇ…1曲1曲が猫の目のようにコロコロ変わる、悪戯っぽいアルバムだと思っています。
――過去の作品と比べ、臨み方の異なるようなところはあったのでしょうか?
櫻井:歌に関して言いますと、より生身になったという感じでしょうか。(歌は)体調やテンション、考え方ひとつでハイになったり、ローになったりもするんですが…今だから言えますが、前作は体調があまり良くなかったんですね。
――あ、実はそうでしたか。
櫻井:ええ。だから、声の線が細いところがあったと思います。今回はその点をクリアして、とりあえずヴォーカルの点数を高めに、そしてセンターに…と考えて。センターがしっかりしていれば何があっても大丈夫なんじゃないかなと思ったし、今回の歌に関しては満足しています。
――その辺はキャッチーなメロディーを持った楽曲が多いことも影響しているのでしょうか?
櫻井:そうですね。今回は楽曲のキャラクターに合わせていけました。以前だったら抵抗感を抱えながら歌っていた部分もあったと思うんです。テンションであったり、精神状態であったりが関係して。人間ですから、やはり“今日はやりたくないなぁ”みたいな時もあって。(ところが今回は)キャラクターが1曲1曲違って、“これはハイテンションでいけるな”とか、“このミディアムスローでは今までやってきたダークな世界を崩さずにやればいいんだな”とか。
――それぞれに自分を合わせていけたという?
櫻井:そうしたいなとも思いました。余計なことを考えずに楽曲の主人公のキャラクターになることが結果的に一番良いんだと。まあ、ヴォーカリストとしては難しい部分やチャレンジする部分はありましたが、興奮度は高かったですよ。
――なるほど。では、今井さん。今作ではダンサブルなものを強調したいという意図が当初からあったようですが、そう思うに至るきっかけなどは何かあったのでしょうか?
今井:ディスコというものを意識したということはライヴ感を意識したということだし、しかも“ダンサブル”と言ってもいわゆる16ビートではなく、四分のキック…“猿でも乗れる”みたいな(笑)、それくらい単純でライヴで楽しめるものをと思ったんです。
――昨秋、『Tour memento mori ─REBIRTH─』というスタンディングのライヴツアーを行なっていますが、このツアーの影響もあったりしますかね?
今井:このディスコな感じには、ああいうことをやった影響はあると思います。もちろん、単に聴いて耳で楽しめるものをということも意識していますけど、よりライヴで楽しめるものをという。
――実際、完成した『RAZZLE DAZZLE』は5曲目「羽虫のように」までは四つ打ちのリズムが続き、前半は特に“これはディスコアルバムか!?”と思うほどです。
今井:“意識はしてた”とは言いましたけど、身体が自然にこれを求めてたみたいなところもありますよね。
――その“ディスコ”というキーワードに関連してなのか、シンセや打ち込みの使い方だったり、今作ではサウンドも70年代後半から80年代を感じさせるものが多いと思います。その辺も意識されたのではないですか?
今井:そうですね。“テクノ感”…と言ってもいろいろあるんですが、あまり洗練され過ぎてない感じ、モダンなほうには行ってない感じというのは、どこかにあったと思います。
――そう思ったのはどうしてなのでしょうか?
今井:…それがカッコ良いからじゃないですか(笑)。
――(笑)。櫻井さんは今作前半でのディスコっぽいサウンドにはどんな印象をお持ちですか?
櫻井:まあ、テイストとしてディスコがあるかもしれないですが、それを面白がってやっているだけで、良いところだけをピックアップして、自分たちなりの乗り方、乗らせ方にはなっていると思います。
――おっしゃる通り、ひとくちにディスコと言っても単純なそれではなく、あまり他がやらないようなダークなディスコとでもいいますか、あくまでもBUCK-TICK流ではありますね。
櫻井:“歴史は繰り返す”とは言いますが、そのまま繰り返すことはほとんどないと思いますからね。面白いものが何周かして出てきた時、それをリアルに体験していない人がやったとすると、また新しいものになっていくんじゃないでしょうか。
今回の歌詞は聴いている人が
夢を膨らませていける言葉
――では、アルバム『RAZZLE DAZZLE』のもうひとつの特徴とも言える歌のキャッチーさについて訊かせてください。もともとBUCK-TICKの楽曲にはキャッチーなものが多いですが、今回は特にそう感じられて、シングルで発売されている「独壇場Beauty」「くちづけ」以外にもほぼシングルでいけるんじゃないかと思うほどです。
今井:その辺は、16thアルバム『天使のリボルバー』から意識的にやっていて、自分の中のリミッターみたいなものを外して、メロディーのキャッチーさ…アレンジもそうかもしれないけど、わりと抑え込んでいたところを取っ払ってますね。そこが今回は分かりやすく出たのかなと思います。
――これは個人的な好みかもしれませんが、「羽虫のように」や「BOLERO」は十分にシングルOKだと思いますよ。
今井:1曲1曲タイプは違っても、キャッチーさは何かしら出すというか、どこかでポップさは必要だと思ってるんで。
――言い換えれば、“キャッチーさ、ポップさがないとロックじゃない”ということですかね?
今井:曲の持っている“売り”がないと“この曲は何を聴かせたいの?”ってことになるから、それはもう全曲で考えますよね。
――櫻井さんは、先ほど“今回は楽曲のキャラクターに合わせていけた”とおっしゃってましたが、それは今井さんが言われた“リミッターを外した”ということと何か関係はありますか?
櫻井:今井が作詞作曲した楽曲はすごく明確な世界観が出ていると思います。で、その肩に力が入らない感じは…自分が書いた歌詞ですと力んじゃうこともあるんですけど、自分の言葉じゃないことが逆に力みをなくして、その世界に入り込んじゃえばいいというか、成りきっちゃえばいいみたいなところを後押ししてくれるんですね。
――その傾向はここ数作で強まっているのですか?
櫻井:この取材の最初の方に言ったように、今まではその世界に入り込んでいけない部分もあったかもしれません。でも、今回に関しては自分がそこに入っていかないと聴いている人もその世界に入り込めないんじゃないかと思って、もう余裕で“どうぞ、いらっしゃい”という感じになればいいなと思いましたね。
――今作でそれが最も上手くいったと思うのはどの楽曲ですか?
櫻井:ゆったり構えられたのは「Django!!!─眩惑のジャンゴ─」ですかね。成りきれたところはあります。他の曲にしても、自分で言うのも何ですが、今回はみんな平均点より高いですよ(笑)。
――そうですか(笑)。今挙げてもらった「Django!!!─眩惑のジャンゴ─」はホーンセクションを取り入れたグルービーなサウンドで、カッコ良いナンバーに仕上がってますね。
今井:新しいですよね。以前はこういう乗りには手を出しちゃいけないのかなって思っていたから(苦笑)。難しかったですけど。リズムから作ったんですが、それがわりと成功したパターンかなと思います。このタイプは今までになかったんで、頑張りました(笑)。
――分かりました(笑)。それでは、最後に今作の歌詞について訊かせてください。前作『memento mori』のテーマが“愛と死”であったのに対して、今作『RAZZLE DAZZLE』のテーマは“愛と夢”ではなかろうかと思うほど歌詞の中には“愛”と“夢”という言葉が多く散りばめられていますよね?
今井:それは気付かなかったですね。
――自然とこうなっちゃいましたか?
今井:そうですね。ただ、アルバムのイメージとして“非日常的なもの”や“めくるめく感じ”というものがあったんで、“夢”といった言葉が自然とにじみ出たのかも…とは思います。
――どこか現実離れしたイメージですか?
今井:ええ。
――櫻井さんは歌詞に関しては、どのように捉えていますか?
櫻井:現実離れというか、聴いている人が夢を膨らませていける言葉なんじゃないですか? 聴いている人が無限に楽しめる…そういう意味で“夢”を使っているところはあると思います。
――リスナーの想像力をかき立てるという?
櫻井:はい…個人的に妄想癖や逃避癖があるので自然と使う言葉ではありますし。
――「月下麗人」の《ああ あなたの夢 ああ 叫ぶ》というフレーズなどはリスナーに向けてられている印象がありますね。
櫻井:話が少し大きくなるかもしれないですけど、現実はそうそう楽しいことばかりではないですから、音楽が楽しませるアイテムのひとつになればいいと思います。それは聴いてくれる人に対してもそうだし、自分自身も楽しみたい。こと“夢”に関して言えば、聴いた人が自身のストーリーを追いかけて行って、その時間を無駄に使ってほしいようなところはありますよね。
――メロディー、サウンド、言葉のいずれもが外に向かった作品と言えるようですが、そのアルバムに“RAZZLE DAZZLE”というタイトルが付けられました。これにはどんな意図があるのですか?
今井:もともとは映画『シカゴ』に出て来る言葉で、自分では“非日常的”や“幻惑”、“めくるめく”…それこそ“夢”の世界じゃないですけど、ちょっとファンタジックで快楽的な感じですね。
――“馬鹿騒ぎ”という意味もあるそうですが、その意味ではライヴも想像させますよね。リリース後の全国ツアーは文字通り、馬鹿騒ぎできそうですか?(笑)
今井:そうなればいいですね(笑)。
櫻井:ジェットコースターのように起伏に富んだアルバムでもあるのでメリハリの効いたライヴになると思います。

取材:帆苅智之

『TOUR 2010 go on the “RAZZLE DAZZLE”』
10/15(金) 埼玉・さいたま市文化センター
10/17(日) 奈良・なら100年会館
10/23(土) 富山・富山県民会館
10/24(日) 新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
10/27(水) 東京・渋谷C.C.Lemonホール
10/28(木) 東京・渋谷C.C.Lemonホール
10/31(日) 神奈川・神奈川県民ホール
11/03(水) 香川・サンポートホール高松 大ホール
11/05(金) 広島・アステールプラザ 大ホール
11/07(日) 福岡・福岡市民会館
11/10(水) 東京・パルテノン多摩
11/13(土) 栃木・栃木総合文化センター メインホール
11/14(日) 神奈川・よこすか芸術劇場
11/21(日) 千葉・千葉県文化会館 大ホール
11/23(火) 群馬・群馬音楽センター
11/26(金) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
11/28(日) 京都・京都会館 第一ホール
12/01(水) 埼玉・大宮ソニックシティ
12/03(金) 富山・富山市文化会館ロゼシアター 大ホール
12/05(日) 長野・ホクト文化ホール 中ホール
12/10(金) 宮城・仙台イズミティ21
12/12(日) 北海道・札幌市教育文化会館
12/15(水) 大阪・NHK大阪ホール
12/16(木) 大阪・NHK大阪ホール
12/18(土) 愛知・中京大学文化市民会館 オーロラホール