検事が改ざんの疑い 最高検が捜査
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検事が改ざんの疑い 最高検が捜査

9月21日 12時22分 twitterでつぶやく

厚生労働省の村木元局長が無罪判決を受けた郵便の割引制度をめぐる事件で、捜査を担当した大阪地検特捜部の主任検事が、押収したフロッピーディスクのデータを改ざんした疑いがあることが関係者への取材でわかりました。最高検察庁は事態を重くみて、証拠隠滅の疑いもあるとして、みずから異例の捜査を始めました。

問題のフロッピーディスクは、郵便の割引制度をめぐり、うその証明書が発行された事件で無罪判決を受けた厚生労働省の村木厚子元局長(54)の元部下で係長だった上村勉被告(41)の自宅から去年5月に押収されたものです。フロッピーディスクには、上村元係長が作成したとされるうその証明書のデータが保存されていました。ところが、関係者によりますと、データの最終的な更新日時が、押収された時点では2004年の6月1日だったのに、1か月半後の去年7月になって6月8日に書き換えられていたことがわかりました。捜査関係者によりますと、事件を現場で指揮した大阪地検特捜部の前田恒彦主任検事(43)が改ざんした疑いがあるということです。このフロッピーディスクそのものは、裁判の証拠としては提出されませんでしたが、データの更新日時が6月8日だった場合には、村木元局長がうその証明書の作成を指示したという検察が描いた事件の構図に矛盾がないことになります。関係者は、事件の構図にあうように書き換えられたのではないかと指摘しています。最高検察庁は事態を重くみて、証拠隠滅の疑いもあるとして、みずから異例の捜査を始めました。最高検の検事らが、事件を担当した主任検事などから事情聴取を行うことにしています。これについて、大阪高等検察庁の柳俊夫検事長は記者会見し、「フロッピーディスクを改ざんした疑いのある主任検事について、最高検察庁が刑事処分も視野に入れて徹底的に捜査を行うとしている。大阪高検としても最高検の捜査に全面的に協力していきたい」と述べました。また、主任検事がフロッピーディスクを改ざんした事実を認めているかどうかについて、柳検事長は「最高検が捜査しているので申し上げられない」と答えるにとどまりました。