築70年のソウル市長公邸で雨漏り

台風で屋根が壊れ、雨漏りが呉市長の寝室まで

 築70年のソウル市長公邸にも寿命が来たのか。同市の呉世勲(オ・セフン)市長にとって、鍾路区恵化洞の公邸が悩みの種となっている。ソウル城郭復元作業の邪魔になるため移転を検討中だが、新しい公邸の場所が決まっていない上、最近の台風7号(アジア名:コンパス)の影響で雨漏りの事態まで起きた。

 呉市長は今月2日未明、水が滴る音に驚いて目が覚めた。電気をつけて見ると、壁面やカーテンがびっしょり濡れていたという。1940年に建てられた古い建物は、台風による雨で一部の防水層が破損し、雨水が呉市長の寝室にまで染み出した。

 この知らせを聞いて、ソウル市の総務課職員らがあたふたと出動し、その後20日まで、市長公邸では昼夜を問わず、金づちの音が鳴り響いた。かなり古いため、補修工事も注意深く行わなくてはならず、横10メートル、縦15メートルの屋根を直すのに2週間以上要した。掛かった費用は2000万ウォン(約147万円)程度だ。ソウル市のリュ・キルジュン総務課長は、「今まで幸いにも大きな問題がなかったが、そろそろ(建物の)寿命が来たようで心配だ」と話した。

 この公邸は、敷地面積1628平方メートル、延べ面積520平方メートルの2階建て木造住宅で、1940年に建てられた。日本による植民地時代、中枢院の参議(官職の一つ)を務めた慶尚南道の富豪、ハ・ジュンソク氏が建て、45年の独立後、ソン・ウォンイル海軍提督が所有した。59年から大法院(最高裁判所に相当)長の公邸として、81年からソウル市長の公邸として使用されてきた。

 文化財庁は、この公邸が恵化門とソウル城郭の連結区間に位置していることから、城郭の完全復元のため移転を要請しており、現在ソウル市が新たな公邸の敷地を探しているが、ふさわしい場所がなく、悩んでいる。もともと、竜山区漢南洞の旧漢江管理事務所のあった場所に新公邸を建てようとしていたが、呉市長がこの土地を中小企業の投資家誘致用の宿泊施設「ソウル・パートナーズ・ハウス」として用途変更し、公邸の移転問題は再び手詰まり状態となった。

 この公邸は築50年を過ぎているため、文化財登録も検討されたが、「かなり原形が損なわれている」という判定を受け、結局取り壊される運命となった。ソウル市関係者は、「新しい公邸の敷地を購入し、工事をすべて終えるには2年以上かかるだろう。当分は、いつ雨漏りするか分からない場所で市長が過ごさなければならないという状況だ」と話した。

写真提供=ソウル市

李衛栽(イ・ウィジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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