韓国政府、「3大海底トンネル」構想を検討
開通すればソウルから済州までKTXで2時間26分
韓半島(朝鮮半島)から済州島、中国、日本まで海底にトンネルを掘り、自動車や鉄道で行き来しようという「3大海底トンネル」構想が、韓国政府内で検討され始めた。
国土海洋部は最近、「KTX高速鉄道網構築戦略」を発表し、その中で「巨大地域圏(Mega Region)競争力が国家競争力の中心に浮上した。国際鉄道時代に備え、韓中海底トンネル、韓日海底トンネルの必要性を研究している」という事実を明らかにした。
これまで、民間レベルで韓中・韓日海底トンネル構想が話し合われたことはあったが、韓国政府が公式文書で検討の事実を明らかにしたのは初めてだ。
国土海洋部のヨ・ヒョング総合交通政策官は、「韓中、韓日海底トンネルについて、何度か話が出て、まずは予算や政治的な問題から離れ、技術的・経済的な妥当性があるかどうかを検討してみようということ。昨年、交通研究院に依頼して委託研究を開始しており、年末ごろには結果が出るだろう」と語った。
これと共に、木浦-済州を結ぶ海底トンネルの妥当性に関する委託調査も進められており、韓半島で3本の海底トンネルに関する妥当性の検討が同時に進んでいるという状況にある。これまでは利害関係を有する地方自治体を中心に話し合われてきた海底トンネルの推進が、中央政府レベルで本格的に検討される段階に至ったわけだ。
国土海洋部の委託を受け、韓中・韓日海底トンネルの妥当性を研究している交通研究院のイ・ジェフン鉄道交通研究室長は、「東アジア交通網の統合という観点から、二つの海底トンネルの建設を前向きに検討している」と語った。
京畿開発研究院が昨年公開した韓中海底トンネル基本構想では、中国の山東半島・威海と▲仁川▲華城▲平沢・唐津▲黄海道甕津(北朝鮮)-の4カ所のうちいずれかを結ぶことになっている。
また、釜山発展研究院は昨年1月、釜山-対馬-福岡を結ぶ韓日海底トンネル(222.6キロ)構想を公開した。交通研究院も2008年末、木浦-海南間は地上で、海南-甫吉島間は橋で、甫吉島-楸子島-済州島間は海底トンネルで結び、総延長167キロの交通路を作る案を提示した。
問題は、天文学的な建設費と、一部にある否定的な感情だ。韓中海底トンネルは、仁川-威海ルートの場合で123兆ウォン(現在のレートで約9兆768億円、以下同)=京畿開発研究院試算=、韓日海底トンネルは92兆ウォン(約6兆7891億円)=釜山発展研究院=、済州海底トンネルは14兆6000億ウォン(約1兆774億円)=交通研究院=にも上る超大型の事業だ。また、韓日海底トンネルの場合、日本の大陸進出の道を開いてやるだけで、韓国は経由地に転落するおそれがあるという否定的な世論もかなりある。
黄祺淵(ファン・ギヨン)韓国交通研究院長は、「3本の海底トンネルは、どれも将来の需要に対処するためには必要だが、中長期的に、15-20年間隔で進めていくのが望ましい」とし、済州海底トンネルは2010年代後半、韓中トンネルは2030年代、韓日トンネルは2050年代に推進するのが妥当だと主張した。
キム・ミンチョル記者
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