3大海底トンネル構想:釜山-福岡わずか1時間(下)
巨額の費用調達がカギ
■夢物語ではない
韓日、韓中海底トンネルの建設には日本、中国との合意が必要なのに対し、湖南-済州海底トンネルは、韓国だけの判断で建設可能だ。現在、韓国政府は事業化調査を進めている。
交通研究院は08年12月、同事業に対する事業化検討結果を発表し、甫吉島-済州-済州島間(73キロ)の海底トンネルを建設し、木浦-済州間(167キロ)を結ぶプランを示した。このトンネルが実現すれば、韓国高速鉄道(KTX)でソウル-済州間が2時間26分で結ばれる。構想には全羅道が積極的だが、済州道は済州島が島としての魅力を失うほか、現在は新空港建設が優先課題だとして、消極的な姿勢を見せている。交通研究院のイ・ジェフン室長は「海底トンネル工事は超精密工事で、技術の蓄積が十分ではないため、まず済州トンネルを推進した上で、韓中、韓日海底トンネルを論議するのが好ましい」と指摘した。
■海底トンネル、三つの工法
海底トンネルの建設方法には、大きく分けて3種類ある。
1、沈埋工法
あらかじめ海底に穴を掘っておき、陸上で製作した構造物を海底に沈め、海底で連結する方法だ。12月に完成する巨加大橋(釜山市可居島-慶尚南道巨済島)のうち、海底トンネル部分(3.7キロ)はこの工法で建設された。巨加大橋では、長さ180メートル、重さ4万5000トンの巨大なトンネル構造物18個を作り、海底に沈めた上で、それを順に連結した。しかし、潜水士が海底で作業をしなければならないため、最大でも水深60メートルまでしか作業ができない。西海(黄海)は水深が最大80メートル、大韓海峡(対馬海峡)は水深が200メートル前後のため、この工法を用いることはできない。
2、TBM工法
シールドと呼ばれる円筒状のトンネル掘削機で海底を掘り進む方式。進行速度は速いが、設備が高価だ。英国とフランスを結ぶユーロトンネルがこの工法を用いるなど、最近は海底トンネルの大半が同工法を用いている。
3、NATM工法
連続した発破によりトンネルを掘る工法。工事費が安く、地層変化にも容易に対応できるが、工事速度が遅い。日本の青函トンネル、ソウル地下鉄5号線漢江トンネルなどはこの工法で建設された。
キム・ミンチョル記者
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