3大海底トンネル構想:釜山-福岡わずか1時間(中)

巨額の費用調達がカギ

韓日海底トンネルに拒否感情も

 釜山発展研究院が昨年1月に示した韓日海底トンネル構想は、釜山-対馬-福岡間(222.6キロ)を結ぶものだ。釜山発展研究院は、構想が実現すれば、高速鉄道で釜山-福岡間が1時間で結ばれるなど、北東アジアが日帰り圏内に入るほか、貿易や人的往来が大幅に増え、韓国が物流の中心国として浮上することになると予測した。

 韓日海底トンネル構想は歴史がある。日本が1917年に検討を開始した記録があるほか、両国の政治家、経済人が引き続き関心を示してきたが、韓国よりも日本の方が積極的なのが現状だ。菅直人首相も野党時代の2008年2月に訪韓し、この構想に関心を見せた。07年には高建(コ・ゴン)元首相が、韓日海底トンネル建設を大統領選の公約として掲げることを検討した。

 しかし、否定的な見方も少なくない。韓日海底トンネルが日本の大陸進出ルートを開き、韓国は経由地に転落する恐れがある点だ。釜山大のチェ・ヨル教授(都市工学)は「韓日海底トンネルを建設すれば、日本は欧州に至るまでの空間が得られ、利益が大きいが、韓国は日本しか得られず不公平だ。韓国が受ける被害は誰も予想できない」と述べた。

 一方、韓国鉄道大の崔然恵(チェ・ヨンヘ)総長は、ユーロトンネルを例に挙げ、「経済概念が過去とは異なり、ゼロサムゲームではないため、行き過ぎた懸念ではないか。超広域圏による競争時代が到来しており、海底トンネルで新たな成長の勢いをつかむことも重要だ」と指摘した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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