3大海底トンネル構想:釜山-福岡わずか1時間(上)

巨額の費用調達がカギ

 韓国では現在、韓中、韓日、湖南(全羅道)-済州という三つの海底トンネル建設構想が論議されている。これまでは民間や地方自治体レベルでの論議だったが、いよいよ中央政府が事業性を本格検討する段階を迎えた。しかし、三つのトンネルには▲巨額の費用▲複雑に入り組んだ当事国の利害関係▲技術的難題-などの問題があり、構想実現までには相当の時間を要する見通しだ。

韓中海底トンネル

 シンクタンクの京畿開発研究院によると、韓中海底トンネルの基本構想は、仁川など韓国西海岸の都市と中国山東省の威海をトンネルで結ぶものだ。仁川-威海の場合、総延長は341キロに及ぶ大規模事業となり、英国-フランスを結ぶユーロトンネル(50.5キロ)の7倍近い長さとなる。韓中海底トンネルが実現すれば、高速鉄道で青島まで2時間40分、北京まで5時間で到着する。金文洙(キム・ムンス)京畿道知事は、2008年から韓中海底トンネルの必要性を説いている。

 中国政府が公式な立場を示したことはまだない。中国の習近平国家副主席は昨年末に訪韓した際、「十分に検討する可能性がある」とは述べたが、外交儀礼の性格が強い。中国は台湾との両岸海峡トンネルの建設を優先している上、韓中海底トンネルが北朝鮮の孤立を深刻化させる可能性があるため、中国は慎重な姿勢だとされる。今年11月18日に上海で中国土木学会などの主催による海底トンネルセミナーが開かれ、中国の専門家が韓中海底トンネルに関する発表を行う予定となっており、注目を集めている。

 韓国国内でも「南北関係を解決し、北朝鮮経由で中国と結ばれるべきであり、天文学的な金額を投じ、韓中海底トンネルを建設する必要があるのか」という反対論がある。しかし、交通研究院のイ・ジェフン鉄道交通研究室長は「韓中海底トンネルの具体化は、北朝鮮が(鉄道などを)開放する、てこの役割を果たす可能性がある」と指摘する。

 朴槿恵(パク・クンヘ)元ハンナラ党代表は、2007年の大統領選で、貨客列車をまるごとフェリーに載せ、西海(黄海)を渡る「列車フェリー構想」を提案したことがある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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