【コラム】万里の長城を超えろ(下)

 最後に、中国の産業競争力が急成長していることに伴うリスクだ。世界市場シェア1位の中国製品は1210品目(2008年現在)で、韓国の52品目の23倍以上だ。そして、中国政府が最近、自動車・造船などあらゆる産業分野で強力な自国企業育成や保護主義政策を展開していることも負担になる。中間製品に続き、最終製品で中国が本格的に韓国を追い抜けば、韓国の中国向け・世界各国向けの輸出が大きく揺らぐことは火を見るよりも明らかだ。

 つまり、こうした状況で、韓国経済が一人当たり所得3万ドル(約256万円)という壁を乗り越えていくには、「もろ刃の剣」のような中国をうまくコントロールし、生かしていくことが大きな課題となる。

 このためには、何よりも中国製品とは明確に差別化された中核技術や高付加価値製品の開発に勝負を賭け、産業の総体的な競争力をさらに向上させなければならない。それと同時に、ほかの新興国や先進国などの海外市場開拓に拍車を掛け、中国一辺倒の貿易依存度を下げる必要がある。中国の広大な内需市場を攻略するため、地域別マーケティングを駆使し、人脈をつくる努力も不可欠だ。

 韓国の産業界や韓国政府は、中国に端を発するリスクを建設的に乗り越え、経済体質強化や市場多角化を成功させ、「世界輸出トップ5入り」という青写真を一日も早く現実にしていかなければならない。

宋義達(ソン・ウィダル)産業部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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