【コラム】万里の長城を超えろ(上)

 「今年上半期輸出額世界7位」「今年上半期輸出増加率世界3位」「今年4-6月期経済成長率、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中1位」…。

 最近、韓国が成し遂げたこうした経済の成果には「共通分母」がある。それは、すべて急増する中国向け輸出のおかげということだ。今年1月から7月までの韓国の対中輸出増加率は昨年同期間より約45%増え、先月の韓国の全輸出における対中輸出額は米国・日本・欧州連合(EU)向け輸出額合計とほぼ互角だ。

 このような状況なので、韓国の今年の国内総生産(GDP)における対中輸出の割合は12%を超える。これは8年前の3倍以上だ。中国はまさに、最近順調な韓国経済の大きな支えといえよう。事実、最近の韓国は中国から平均1億ドル(約85億7000万円)を上回る貿易黒字を挙げており、毎月100億ドル(約8570億円)以上の商品を輸出している。

 問題は「黄金の漁場」である中国に「おんぶにだっこ」の状態で好況に浮かれてばかりはいられないということだ。第一に、中国への依存度が高すぎるため、リスクが大きい。10年前、総輸出額の30%近くを米国市場に頼っていた韓国は、米国の情報技術(IT)ブームに乗り輸出が急増、2000年には経済成長率が8.5%に達した。ところが、米国でIT ブームに陰りが出ると、韓国経済は数年間低迷した。10年前の米国のように、中国が韓国経済に冷水を浴びせるような状況が来ることもあり得るだけに、積極的な備えが必要だ。

 第2に、対中輸出品目の約70%が部品・半製品といった中間製品からなるという構造もリスクが高い。中間製品は安い中国の労働力を利用し、加工工程を経て、ほとんどが第3国などへ向かう。その結果、対中輸出の好調は国内雇用の増加や個人消費拡大につながらないまま、国内景気の二極化を深めている。これを乗り越えるには、中国の消費者をターゲットにした最終製品の完成度や魅力を向上させる努力が必要だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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